淡路島と同じ面積セントルシアから世界陸上に 1人で国を背負った22歳女子スプリンターの戦い
第13回は、カリブ海の島国セントルシア代表のジュリアン・アルフレッド。女子100メートルでは5位に入り、200メートルでも24日(日本時間25日)の準決勝を突破した。淡路島とほぼ同じ面積の国から走りでスポーツメーカー「プーマ」のスポンサー契約を勝ち取った22歳。同社による代表チームのサポートまで繋げるなど国を背負いながら戦い続けている。(取材・文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、鉾久 真大)
ブダペスト世界陸上連載「陸上界の真珠たち」第13回
ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。
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第13回は、カリブ海の島国セントルシア代表のジュリアン・アルフレッド。女子100メートルでは5位に入り、200メートルでも24日(日本時間25日)の準決勝を突破した。淡路島とほぼ同じ面積の国から走りでスポーツメーカー「プーマ」のスポンサー契約を勝ち取った22歳。同社による代表チームのサポートまで繋げるなど国を背負いながら戦い続けている。(取材・文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、鉾久 真大)
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あの動物マークのロゴを胸に載せ、ブダペストの風を切り裂いた。
200メートル準決勝。アルフレッドは序盤で先行を許したが、直線に入って猛追した。大歓声を浴びながら逆転。22秒17(向かい風0.2メートル)の組1着、全体3番手で決勝進出を決めた。「まずまずね。悪くはなかった。1レース、1レースやっていくだけよ。文句はないわ」。息を切らしながらクールに振り返った激走。自らの足で道を切り拓いてきた自負を垣間見せた。
南米ベネズエラの北、カリブ海に浮かぶ島国セントルシア。面積は淡路島とほぼ同じ620平方キロメートル、人口は18万3000人ほどしかいない。観光業とバナナやココナッツなどの農業が盛んな国。クリケットなどが盛り上がる中、少女と陸上の出会いは突然だった。
「私を指導してくれた地元のコーチのおかげね。他の子たちの中で、私のポテンシャルを見出してくれたの。一般にミドルスクール(中学校)と言われるところよ。私の才能を見出して、クラブに誘ってくれた。それからずっと走っているわ」