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「政治家はヒーローではない」 世界陸上未踏の地・アフリカ、現地記者が開催実現を訴える理由

ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。

「THE ANSWER」の直撃取材に応じてくれたギルム・セイフ(Girum Seifu)氏【写真:浜田洋平】
「THE ANSWER」の直撃取材に応じてくれたギルム・セイフ(Girum Seifu)氏【写真:浜田洋平】

ブダペスト世界陸上連載「陸上界の真珠たち」第5回

 ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。

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 第5回は、エチオピアのスポーツ編集者が登場する。世界陸上が開催されたことのないアフリカ大陸。世界陸上競技連盟(WA)の会見では、WA会長に開催時期の明言を求めていた。直撃取材すると、開催意義を強調。「アフリカでは今、唯一のヒーローがスポーツ選手なんだ」と切なる願いを明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平、鉾久 真大)

 ◇ ◇ ◇

 100人を軽く超える海外メディアの中で、ひと際目立つ風貌の取材者がいた。エチオピアカラーのニット帽から逞しいドレッドヘアーがもっさり。同国代表のTシャツに袖を通し、世界陸上競技連盟(WA)の会見でこんな直球質問をぶつけていた。

「いつ、アフリカで世界陸上が開催されるんですか? というのも、アフリカは世界陸上で素晴らしい結果を残してきました。開催されるとすれば、どの国に可能性があると思いますか?」

 声の主はエチオピアのギルム・セイフ(Girum Seifu)氏。アート、産業、IT、メディアの集合団体「Medemer Africa」でスポーツ編集者を務めるほか、ラジオプロデューサー兼司会者など幅広く活躍している。エチオピア最大級の新聞社「アディサドマス」にもスポーツ記事を寄稿。普段から全ての競技を取材するそうだが、「陸上は私の情熱だ」と競技愛を溢れさせた。

 お祭り好きの気質を持つ人が多い大陸。同氏はアフリカ初の世界陸上開催を熱望している。

「全ての大陸がこの大会の開催地になるべきだ。ブダペストでも多くの人たちがスタジアムに足を運んでいる。想像してみてくれ。カラフルで、踊り回る観客たちを。あらゆる黒人たちがスタジアムに行く。それは儲けのためだけじゃなく、(WAにとって)この競技を成長させていくためにも素晴らしい実績になる。開催へ努力することで、アフリカの陸上を活気づけたいんだよ」

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