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ラグビー日本代表「W杯メンバー33人」大予想 ポジション別“勢力図”から考察するベスト布陣は?

注目はスクラムハーフとスタンドオフの“第3の男”

【HB(ハーフバックス)】
[9]SH(スクラムハーフ)
齋藤直人(東京SG)
流大(東京SG)
△福田健太(トヨタV)/※茂野海人(トヨタV)
[10]SO(スタンドオフ)
松田力也(埼玉WK)
李承信(神戸S)
小倉順平(横浜E)

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 スクラムハーフに関しては、ここまでの起用を見てもパスワーク、フィールドプレー、キックと高いスタンダードを見せる齋藤と、経験値の高さでゲームの流れを読める流が先発、ベンチを固めるのが有力だ。ともにスキル、判断力と評価は揺るがない。先発かベンチかという議論では、ゲームプラン次第と考えていいが、齋藤がゲームを組み立てた上で、冷静な流がゲームの流れを変える、リードした状況から安全に試合を締めるという役割が濃厚だ。

“第3の男”は、攻撃的なプレースタイルで、代表枠で合宿に参加してきた福田が有力だが、ここまで代表での実戦は0のままだ。HO同様に3番目のSHは、W杯本番では出場機会がない可能性もあると割り切れば福田の選考も不思議ではないが、アクシデントによって主力SHが離脱するシナリオを考えれば、前回大会で実戦経験なしながら帯同し、その後も代表戦でプレーしてきた茂野のほうが“計算できる”メンバーだ。3番目の9番に、コーチ陣が何を求めるか次第で、その席に着く選手が変わる可能性もある。

 スタンドオフは、パス、ランで攻撃を仕掛けることに加えて戦術的なキックの選択、そこに選手をどう機能させるかなど、最先端のラグビーではさらにその重責度を高めるポジションだ。多くの強豪国は新旧2人の選手の併用で常に2人(以上)の10番を起用しているが、日本では松田、李の選出は、ここまでのプレー時間からも可能性は高い。フィジー戦までのパフォーマンスを見る限り、本大会では経験値の高い松田がチームの軸になるだろう。

 李の場合、他のSO候補よりもプレー時間はもらっていたが、防御、状況に応じたプレーの判断、戦術的なキックのミスなど、経験値としては世界トップ8の司令塔としては十分とは言えない。19年大会の田村優、15年大会の小野晃征のように、実質1人の司令塔を軸に戦う流れは今回も変わらないだろう。プレー時間の少ない小倉だが、後で触れるFBとの兼務で33人に食い込むチャンスを掴んだようだ。所属する横浜Eでも、FBでプレーして状況に応じてSOの位置にも入るユーテリティー選手として活躍するが、日本代表でも手薄なFBのカバー要員としての需要がありそうだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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