大卒→プロテスト5度目で合格→下部ツアーV 女子ゴルフ27歳・高野あかりが歩んできた挑戦の道
女子ゴルフで大卒の新人が輝きを放っている。27歳・高野あかり(フリー)だ。昨年11月4日、5度目の挑戦となったプロテストで合格。今季は、レギュラーツアーの下部に相当するステップ・アップ・ツアーを主戦場とし、出場6試合目となった前週の地域みらいグループレディス佐嘉窓乃梅カップ(佐賀・武雄GC)で初優勝を飾った。昨今は少なくなった大卒プロ。30代でも進化する先輩たちから刺激を受け、自身も励みにされる存在を目指す。(取材・文=柳田 通斉)
前週ステップ・アップ・ツアーで逆転V
女子ゴルフで大卒の新人が輝きを放っている。27歳・高野あかり(フリー)だ。昨年11月4日、5度目の挑戦となったプロテストで合格。今季は、レギュラーツアーの下部に相当するステップ・アップ・ツアーを主戦場とし、出場6試合目となった前週の地域みらいグループレディス佐嘉窓乃梅カップ(佐賀・武雄GC)で初優勝を飾った。昨今は少なくなった大卒プロ。30代でも進化する先輩たちから刺激を受け、自身も励みにされる存在を目指す。(取材・文=柳田 通斉)
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優勝を決めた翌日の28日、高野は兵庫県内にいた。31日開幕のECCレディスゴルフトーナメント(兵庫・北六甲CC東C)に向けて調整するためだ。
「今季はステップ・アップ・ツアーが主戦場なので、できるだけ多くの試合に出場したいと思っています。当然のことですが、航空機のチケット、ホテル、レンタカー手配などは自分でしています」
今季目標は同ツアーでの「1勝」だった。そして、初めての優勝争いとなった27日の地域みらいグループレディス佐嘉窓乃梅カップ最終日。首位に2打差の3位でスタートした高野は70で回り、通算8アンダー。逆転で優勝カップを手にした。
「全く優勝を意識しないままプレーして、15番で『トップは10アンダーぐらいかな』と思ってボードを見たら、自分の名前が一番上にあって、めっちゃビックリしました。そこからは優勝を意識しましたけど、自分のやるべきことに集中しました」
17番をボギーとし、18番は80センチのパットを入れてパーセーブ。後続の最終組がラウンドを終えると、同期を含む仲のいいプロたちに祝福され、目に涙を浮かべた。
「決まった瞬間も驚きの方が大きくて実感が湧かなかったのですが、祝福されてうれしかったです。これで支えてくれた家族、コーチ、スポンサー、お世話になった方々に恩返しができました。昨年からは想像できなかった状況です」
1年前、高野は「次が最後のプロテスト」と思いながら、練習を重ねていた。法政大を卒業後、4度のテストに跳ね返されていたからだ。
「父と兄の影響で10歳からゴルフを始めましたが、ジュニア大会では上位に入れず、高校(千葉・拓大紅陵)でも誇れる結果は残せませんでした。プロになりたい思いはありましたが、『今の力では無理。大学で続けて先が見えなければ就職をする』という思いで進学したので、初受験の時点で22歳。テストの壁は想像以上に厚かったです」
初受験の2018年は1次予選を不通過で、19年は最終プロテスト55位。20年度テストはコロナ禍で21年春に延期され、最終プロテストで5打届かずの32位だった。21年度テストは、2次予選で1打差の不通過となった。