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サッカークラブが若者の果物離れに一役 購入量激減のりんご、青森で始まった新たな地域貢献

スポーツチームと地域が連携した地域振興や社会貢献の取り組みは、今や全国各地でみられる。青森県でも今年、東北社会人サッカーリーグ1部のブランデュー弘前FCと取り組みをスタート。選手たちを通し、県内の子どもたちに向けた青森りんごの普及活動を行う。

りんご普及活動を行うブランデュー弘前FC、選手自らりんご調理実習も受けている【写真:編集部】
りんご普及活動を行うブランデュー弘前FC、選手自らりんご調理実習も受けている【写真:編集部】

東北社会人1部のブランデュー弘前FCが青森県と協力してりんご普及活動

 スポーツチームと地域が連携した地域振興や社会貢献の取り組みは、今や全国各地でみられる。青森県でも今年、東北社会人サッカーリーグ1部のブランデュー弘前FCと取り組みをスタート。選手たちを通し、県内の子どもたちに向けた青森りんごの普及活動を行う。

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「日本一のりんごの産地として、県内の人たちにもっとりんごを食べて欲しい」とは青森県庁農林水産部りんご果樹課で、今取り組みを発案した高田睦さんだ。

 近年、日本では全国的に果物離れが進み、りんごの購入量も減少。総務省家計調査によると、年間1人当たりのりんごの購入量は60代で4.2kgだが、30代は1kg、30歳未満では0.7kgと、若い年代ほど明らかに激減している。

「果物離れが進む現状から、果物を食べる習慣作りが大切ではないかと考えた。まずは、子どもたちに食育を通してりんごを身近に感じてもらう活動を始めました」(高田さん)

 県は子どもたちに対し、青森りんごの教育プログラムを実施。これまで、りんごに触れる機会や学ぶ場を提供する「出前授業」を、県内外の小学校で継続的に開催してきた。

 一方、高田さんは、子どもたちの心にもう一歩、踏み込むために「何らかの方向転換が必要と感じていた」。そこで、着目したのが、スポーツを切り口にした取り組みだ。

「地元のスポーツ選手は子どもたちにとって、憧れの存在。彼らが積極的に果物を摂る姿を見せることで、子どもたちが真似をして食べたり、果物をより身近に感じてくれたりするのではないかと考えました」

 現在、県内にはサッカー、バスケットボール、アイスホッケーのスポーツチームがある。その中から、高田さんは青森りんごの啓蒙活動のパートナーとして、ブランデュー弘前を選んだ。

 ブランデュー弘前が選ばれた理由は2つ。一つはホームタウンの弘前市が日本の市町村のなかで、最もりんごの生産量が多い点。2つ目は、Jリーグが掲げるホームタウン活動の理念だ。

「県内に様々なスポーツチームがあるが、特にサッカーは地域貢献の意識が高い印象があります。ブランデューさんにお願いできれば理想的ではないかと考えました」(高田さん)

 高田さんはブランデュー弘前の西澤雄貴代表取締役に、啓蒙活動の協力を依頼。

「チーム内では、積極的に地域貢献に取り組もうと日頃から話している。選手たちも全員、そのつもりでうちのチームに来てもらっているから、ぜひ協力したい」

 西澤氏からの快い返答を受け、取り組みがスタートした。

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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