那須川天心の異端児流デビュー戦会見 時代と逆行、ボクシング界に現れた「変なヤツ」
ネット配信の時代に持論「テレビでやれなくなった。それはピンチ」
これまでバラエティー番組などテレビに多数出演。アスリートの枠を超えて活動した。それも意図があってのこと。今後は数を減らす方針という。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「フェーズがあると思っています。知ってもらうフェーズと伝えるフェーズ。キックの時は認知してもらうことを大事にしていた。(武尊戦の)THE MATCHでも知ってもらえた。顔と名前が一致していない人がいても、名前は知ってくれている。今はそれをより深くすること。でも、例えば(仲のいいお笑い芸人「霜降り明星」の)粗品に『出てほしい』とか、友だちに言われたら出ますよ」
スポーツがテレビ中継ではなく、ネット配信に移る時代についても考えを持つ。
「格闘技に対する想いは強くなっています。今、格闘技は凄く世の中に知れ渡っているけど、いいイメージも、悪いイメージもあると思う。そこをいいイメージにしたい。テレビでやらなくなったのではなく、テレビでやれなくなった。それはピンチだと思う。取り戻すじゃないけど、クリーンに。自信を持って胸を張れる選手にならないといけない。素晴らしいスポーツなので、そういう興行にしたいです。僕の本気度が伝われば」
瞳も、言葉もキラキラとした華のある24歳。「僕は絶対にネガティブなことは言わない」と生来の前向き人間だ。「母ちゃんがめちゃくちゃポジティブなんですよ。怒られたことがないし、何でもやれって感じ」と影響された。中学時代の友人と久々に会っても「何も変わってないね」と言われる。「それも全部、褒め言葉だと思っちゃうんですよ」と苦笑いした。
キックとボクシング。距離感とラウンド数の違いを課題に対応に励んでいる真っ最中。「練習が楽しい。今も完璧じゃない。毎日最高を目指している」。格闘技戦績は47戦全勝。今後はバンタム級も見据えながら、スーパーバンタム級でデビューする。注目は増すばかりだ。
「熱狂を生みたい。那須川天心第2章として、いいスタートを切れた。あとは、やるべきことはわかっている」
枠からハミ出た変なヤツ。それだけじゃ終わらない。強さを証明し、新しい風を吹かせる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)