那須川天心の異端児流デビュー戦会見 時代と逆行、ボクシング界に現れた「変なヤツ」
ボクシングに転向した那須川天心(帝拳)が13日、4月8日に東京・有明アリーナでのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で、日本バンタム級4位・与那覇勇気(真正)と対戦することが都内の会見で発表された。試合はAmazon プライム・ビデオで生配信。銀髪の外見だけではなく、言葉や行動でも「時代の逆を行く」と異端児ぶりを存分に発揮した。そこには唯一無二の熱意が溢れている。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
Amazon プライム・ビデオで生配信
ボクシングに転向した那須川天心(帝拳)が13日、4月8日に東京・有明アリーナでのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で、日本バンタム級4位・与那覇勇気(真正)と対戦することが都内の会見で発表された。試合はAmazon プライム・ビデオで生配信。銀髪の外見だけではなく、言葉や行動でも「時代の逆を行く」と異端児ぶりを存分に発揮した。そこには唯一無二の熱意が溢れている。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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これまでにない雰囲気を醸し出した。丸刈りにした銀髪の新人ボクサー。オーバーサイズのスーツに身を包み、シャツを出す。スポットライトを浴びた会見場のど真ん中。両手を広げ、“神童”那須川は無数のシャッター音を満喫した。
他の選手のようにヘアスタイルをばっちり決めるのではなく、丸刈りにしたのは「日本人は決意を見せる時にデコを見せるらしいので、デコを見せました」という理由。決意の中には様々な想いが詰まっている。
「生き様、スタイルから感じてほしい。最近、エンターテインメントが増えすぎていると思うんです。だから、こういうスタイルでいくべきなのかなと。時代の逆ですね」
他にも逆行する部分がある。1年半ほど続けたYouTubeチャンネルの活動を終了。目標だった登録者数100万人を実現し、「ケジメとして辞める。もう100万人もいったし、時代の逆を行くのがいい」と明かす。人と違うことをする。そこに喜びを感じ、楽しんでいるようだった。
会見後の囲み取材。「デビュー戦で楽しみなことは?」。そんな問いへの例え話も秀逸だった。
「楽しみたいのは雰囲気ですよね。よそ者が入ってきた時って、客観的に見たら一番楽しいじゃないですか。道を歩いていても、変なヤツがいたら『うわっ!?』ってなる。それをよくするか、悪くするかは、その変なヤツ次第。変なヤツで終わらないようにしないといけないけど(笑)。時代を変えるのは飛び抜けた人だと思います」
実際に飛び込んだボクシング界のいいところについて、「いい風が吹いている。イケてるなって」と感覚的に表現。「自分の想い、バイブス、マインドもいい方に向いている」と24歳のZ世代らしくイマドキのワードを織り交ぜ、「毎日楽しいし、毎日最高。ストレスがないし、本気で好きなことができている。そういうふうに思わせてくれるボクシング界が好きになった」と笑った。
取材が15分ほど経ったところで、関係者が打ち切ろうとした。主役は「もうちょいやりたいです。まだ喋りたい」と異例の続行志願。約22分に及んだ。
古きものには謙虚に敬意を払う。各国に試合を統括するコミッションが存在するのがボクシング。「伝統があって、そこに忠実。決まり事に厳しいイメージ」。9日のプロテストとこの日も繰り返したが、決してキックとボクシングの“どちらが上か”という話ではない。「どちらも素晴らしい競技」とリスペクトの念を強調し、携わる人の印象を明かした。
「ボクシングの人はボクシングのことだけを知るイメージ。それがあるから今のボクシング界が保たれてきた。いい形で“ハミ出す人”がいれば、もっとよくなると思う。選手にも『こういうこともアリなんだ』と気づいてほしい。だから、ワクワクしています。上から目線ではなく、僕をきっかけにしてほしい。僕はもうハミ出ていますし、これ以上出る必要はないです(笑)」