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井上尚弥が動かす日本人ボクサーの主流 激増した統一戦、現代は「本物を追い求める」

2022年、日本ボクシング界の“本物”を求める流れは加速

 高校卒業後、「強い相手とやる」を条件に大橋ジムに入門。「魅せるボクシングをしたい。毎試合は難しいかもしれないけど、節目、節目で」。強敵を求め続けた10年間のプロ生活。常に言葉で主張し、結果で証明してきた。

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 日本人初の3団体統一王者になり、わずか半年後に4団体統一。世界にいる過去8人の4団体統一王者は1試合で一気に2つ以上のベルトを奪った試合、世界ランカー同士の王座決定戦で勝った試合、判定勝ちも含まれる。井上は全て集めるまでに4年7か月を要したが、「4本全てKO奪取」「4人の王者から1本ずつ奪取」はともに世界初の大偉業。階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド」でも世界No.1になった。

「スーパーフライ級時代に有明コロシアムを超満員にできない時代もありました。積み重ねてこれだけ満員にできて、一つひとつやってきたことは間違いじゃなかったと思います」

 2022年、日本ボクシング界の“本物”を求める流れは加速した。

 4月に村田諒太(帝拳)がゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とミドル級で、11月に寺地拳四朗(BMB)と京口紘人(ワタナベ)がライトフライ級で、大晦日に井岡一翔(志成)がスーパーフライ級でそれぞれ2団体王座統一戦を実施。勝ったのは寺地だけだが、井上の2試合を含め、年間5度も日本人による統一戦が行われた隆盛の年だった。

 世界のボクシング界に名を轟かせるモンスター。今年から1つ重いスーパーバンタム級に舞台を移す。2階級で4団体統一を達成した者は、世界に一人もいない。しかし、過去に「記録やベルトはさほど興味がない」と語っていた通り、井上にとって記録はモチベーションの一端を担っても、原動力にはならない。求めるものはシンプルだ。

「強さを追い求めたい。まだまだ強い井上尚弥を見せられると思うので、今後も期待してほしい。自分はどこまでも挑戦したい」

 自身でつくり上げた時代の流れ。期待の波に乗りながら、その先頭に立つ。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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