井上尚弥、強すぎて大橋会長が異例のお願い 米合宿の成長、記者たちへ「書かないで」

井上「相手に恵まれない。モチベーションが下がることもあった」
井上は志願して海を渡った。出向いたのは、マニー・パッキャオを輩出した名門ワイルドカードジム。スーパーバンタム級、フェザー級と自身より重い階級の海外猛者たちとスパーリングで拳を交えた。アウェーの中で一日5~8ラウンド。ハングリー精神を宿らせたライバルたちは、世界的選手の実力はどんなもんかと牙をむく。一発カマしてやろうといった気概もあったはずだ。
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そんなヒリヒリとした環境に井上は刺激を受けずにはいられなかった。「ライトフライ級、スーパーフライ級では減量がきつくて、相手に恵まれないこともあった。それで日常においてモチベーションが下がることもあった」。パッキャオのトレーナーを務めた世界的名伯楽フレディ・ローチ氏とも対面。十分最強だったはずだが、さらに成長する突破口を見つけてしまった。
「ラウンド数はそんなに多くないけど、中身は濃い。感覚的に成長したなと思います。日本に戻ってきてスパーリングをしても、動きの視野が違いますし、やりたいことがスムーズにできている感覚があります。技術がどうこうより、アメリカでスパーリングをして精神的に意味のあるトレーニングだった」
帰国後に国内で続けたスパー。大橋会長が「また凄くなったね」と声をかけると、「自分でもちょっと……」と実感していたという。「書かないでね」と念を押した会長の心配をよそに、井上は言う。
「まだまだ最高レベルにはほど遠い」
一体、井上尚弥の全盛期はいつなんだ。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)
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