渋野が宮里に聞きたい「調子が悪い時、どういうことを考えながら…」

　理由は、国内ツアーのレベルアップもあるが、自身のゴルフがかみ合っていないことが大きい。ブリヂストンレディスではドライバーショットが乱れ、前週の樋口久子 三菱電機レディスは、初日、第2日とアイアンショットのミスが目立った。TOTOジャパンクラシックでは、多くのショートパットを外した。そして、日々、打撃レンジ、練習グリーンでボールと向き合った。

【注目】育成とその先の未来へ　野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

　渋野が宮里と違うところは、大胆なスイング改造を終えた上で、米ツアーに参戦したことだが、コーチ不在の中、自身で細かい修正をし、より試行錯誤しているように感じる。

　樋口久子 三菱電機レディス初日を終えると、同組だった年下の山下美夢有、川崎春花について「2人とも実力は私以上と思う。私がやりたいプレーをできていると思う内容でした。もう、全部上手いです」と言った。昨季も稲見萌寧について同様の発言をしている。メジャー覇者で、今季もメジャートップ5入り2度の結果を出しながら、「自分は上手くない」と思い、地道な努力を続けている。それは素晴らしい。だが、試合になれば、難しい状況で確固たる自信、強い気持ちがないと対応できない場面がある。

　渋野はブリヂストンレディスで予選落ち後、タイミングが合わずに宮里と対面はできなったが、「次の機会にでも、調子が悪い時、モチベーションというか、どういうことを考えながら試合をされていたのかをお聞きしたいです」と話している。宮里はスランプに陥ってから、メンタルトレーニングを受け、得たノウハウを今、日本のジュニアに教えるなどしている。渋野の真価は、来季以降に問われる。オフの間、宮里をはじめ、壁を乗り越えてきた先輩たちと会って学び、スキルを高め、自信を持ってシーズンインすることを期待したい。