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“二世アスリート”が背負う宿命 偉大な父親への敬意と「比較はナンセンス」の本音

シャビ・アロンソが父から継承したもの

「父が現役時代のことは、子供だったので朧気にしか覚えていないよ。だから『父がサッカー選手だよね』と言われても困る(苦笑)。たしかにポジションもセンターハーフのようなポジションで、同じなので比較されることは多いけどね。父が付けていた背番号4には特別な憧れを感じるし、実際にその背番号を付けていたけど、できれば父と比較されるのではなく、自分は自分でいたい。父からプレーのことで何か指導されることもほとんどなかった。そもそも20年前も、昔の父の現役時代とは環境が違いすぎて、比較はナンセンスだと思うし」

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 幼い頃、シャビ・アロンソは周りに「父のようになれ」と言われて、反発することも少なくなかったという。尊敬はしていたが、比較は煩わしい。父と子は、微妙な間柄だ。

「あの頑固さは親父譲り。プレーヤーとしてはどうか分からないが、一徹な性格は瓜二つだ」

 周囲の人々はそう語っていたが、父が息子に伝えたのはアスリートとしての遺伝子ではなく、その気風だったか。

「いつか父を超えたいと思ってやってきた。それも事実だよ」

 リバプール、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘン、そしてスペイン代表であらゆるタイトルを勝ち取ったシャビ・アロンソの言葉である。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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