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日本ラグビーとの違いは「やったれ!」精神 渡仏した女子選手が見た強豪フランスの姿

合同練習後に日大メンバーとハドルを組み談笑するガルティエHC【写真:吉田宏】
合同練習後に日大メンバーとハドルを組み談笑するガルティエHC【写真:吉田宏】

ガルティエHCが練習後に日大の選手を集めて交流

 テストマッチへ向けた合宿では、オフの日でもホテル以外に設備が充実したトレーニングジムを用意するのが常識だ。選手個々の判断ではあるが、オフでもジムで汗を流し、コンディションを整える選手は少なくないからだ。だが、フランス代表の場合は、選手やスタッフが無理して外のジムには行かず、ホテル併設のジムで済ませるなど、個々の判断によるマイペースのコンディショニングが多かったようだ。

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 選手に対してはリラックスできる環境を作ることを意識していたガルティエHCだが、リエゾンだった冨田には、とんでもない注文も突きつけられた。

「到着した日にガルティエさんに挨拶したら、いきなり練習相手になる日本のチームを呼べるかと言われたんです。しかも4日後に、です。そういう合同練習をしたいなら、なんで事前に連絡をくれないのかと思いましたね。言われてすぐに探したけれど、怪我をした時の保険などの手続きが必要だったり条件が難しく、最終的に日大が引き受けてくれたんですけど、じゃあPCR検査しないといけない、当日に結果が出る検査じゃないとダメだとか大変でした」

 取材するなかで、日大との合同練習の日に興味深い光景を見た。練習後にクラブハウスに引き上げるフランス代表メンバーを横目に、ガルティエHCが日大の選手を集めてハドルを組んでいたのだ。英語の分かる留学生選手を隣に呼んで通訳代わりとして、笑顔で選手1人ひとりに声をかけた。冨田も、この日大の学生との交流を興味深く見ていたという。

「日大の選手にとっても、刺激的な出会いだったろうなと感じました。お互い言語は伝わらなくてもコネクションできるじゃないですか。言葉が通じないからこそ、何かを感じ取ろうとする。その雰囲気だったりとか、コロナ禍での国際交流を意識していたから、ファビアンも(日本のチームを)呼んでくれと言ったのかなと思います」

 よほど日大が気に入ったのか、初めての合同練習後には、冨田はガルティエHCからチームTシャツをプレゼントされ「次の週もやりたいけれど、君にアシスタントコーチをお願いできるか」と相談されて、2回目の合同練習も実現した。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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