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日本ラグビーとの違いは「やったれ!」精神 渡仏した女子選手が見た強豪フランスの姿

冨田真紀子(前列左端)はさらなる成長を求めてフランスでの2シーズン目に臨む【写真:本人提供】
冨田真紀子(前列左端)はさらなる成長を求めてフランスでの2シーズン目に臨む【写真:本人提供】

状況を見て柔軟に判断するガルティエの流儀

 実戦では日本代表に食らいつかれながらも、42-23、20-15としっかりと勝ちきったフランス代表だったが、メンバーは若い選手を積極的に起用した編成を貫いた。いわば1.5軍という布陣だった。ベストメンバーを組まずに負ければ批判を受けるのがテストマッチの常識だが、フランスの場合は夏の代表戦期間と国内リーグの終盤戦が重なるため、同HCは2021年シーズンのオーストラリア遠征から、この時期のテストマッチは若手選手の経験値を上げることを重視すると公言している。冨田は「でも、そこまで割り切ってできるのは、ファビアンがHCだからだと思います。チームスタッフと話をしても、ファビアンだから(反対意見を抑えられる)という印象でした」と振り返る。

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 ガルティエHCならではの、セオリーに捉われない柔軟な判断は、取材でも経験している。事前には練習公開は時間限定と説明されていたものが、当日にフルタイム公開となることも少なくなかった。

「練習をあんなフルでオープンにしたり、日大の選手にも(グラウンドに残って)いいよと伝えていた。あそこはファビアンの判断で、あれだけオープンにできた。今日見せてしまっても、それはもう過去のもので、またリニューアルしていくから問題ないと話していました。そういう合理的に割り切った考え方が凄いなと感じましたね。横にいて、本当に勉強になる人だと思いました。イメージだと、すごく固くて怖いという印象だったけれど、実際はイメージと全然違いました」

 合理的であれば、状況を見て柔軟に判断していくのがガルティエの流儀であり、フランスらしさでもあるのだろう。しかしこの指揮官の魅力は、柔軟さと同時に指導者としての強固な理念をブレずに持ち続けていることだ。プロ化が進むなかで、世界のラグビーが戦術やゲームの進め方を、さらに共有しているのは明らかだ。この流れはフランスにも及んでいる。そのなかで、日本戦へ向けた会見での質疑応答が記憶に焼きついている。

「フランスでは、フレア(閃き)という言葉を伝統的に重視してきたが、今でもそうなのか」という質問に対して、指揮官は淡々とこう答えた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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