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日本ラグビーとの違いは「やったれ!」精神 渡仏した女子選手が見た強豪フランスの姿

フランスリーグでの挑戦を続ける元7人制&15人制女子日本代表の冨田真紀子。前編では、女子選手として異例の挑戦に踏み切った思いや現地での生活について聞いたが、後編では自ら体感したフランスラグビーの実力や魅力を語ってもらった。同時に、来年に迫る男子15人制ワールドカップ(W杯)フランス大会での初優勝が期待される同国代表について、リエゾンスタッフとして日本遠征に同行した際に感じた世界一流チームの凄さについても話を聞いた。(取材・文=吉田 宏)

2023年ラグビーW杯開催国のフランス、7月の日本代表2連戦でも強さを見せた【写真:Getty Images】
2023年ラグビーW杯開催国のフランス、7月の日本代表2連戦でも強さを見せた【写真:Getty Images】

ラグビー元女子日本代表・冨田真紀子インタビュー後編

 フランスリーグでの挑戦を続ける元7人制&15人制女子日本代表の冨田真紀子。前編では、女子選手として異例の挑戦に踏み切った思いや現地での生活について聞いたが、後編では自ら体感したフランスラグビーの実力や魅力を語ってもらった。同時に、来年に迫る男子15人制ワールドカップ(W杯)フランス大会での初優勝が期待される同国代表について、リエゾンスタッフとして日本遠征に同行した際に感じた世界一流チームの凄さについても話を聞いた。(取材・文=吉田 宏)

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 日本の女子選手では異例のフランスリーグへの参戦。1シーズンを戦った冨田に、この国のラグビーの強さを聞くと、すぐに淀みない答えが返ってきた。

「やはりメンタルです。日本は恵まれているから、基本的に長距離の移動は飛行機だし、時間も細かいスケジュールが組まれていたりします。計画していないと、いろいろなことがスムーズに進められないこともある。何かの理由で30分遅れたりしたら、流動的に対応できない場合も結構多いですね。でも、フランスでは基本的に予定は未定です。『試合が始まるから10分で用意してくれ』なんてこともある。だから、すぐにスイッチを入れられることも、フランスでプレーするためには重要です。そんなメンタルのタフさ、柔軟さが、一番違うのかなと感じています」

 ラグビー先進国とはいえ、フランスの女子リーグの環境は決して恵まれたものではない。遠征はバス移動での日帰りが中心。アウェー戦では、試合に向けて何もかもが準備されていることはあり得ない。オーストラリア、スコットランドでの留学や、7人&15人制代表として、多くの海外経験を積んできた冨田だが、技術面では他の強豪国とも大きな違いはないと実感する一方で、困難な環境でもプレーし、実力をしっかりと出し切れるメンタルのタフさには目を見張る。

「すごくスキルが高いとか、フィジカルが圧倒的に強いとかは、実はそこまで感じなかった。けれど、精神的な部分では違っていた。とにかく、試合になれば選手はみんな『やったれ!』みたいな気持ちをすごく持っているんです。クラブレベルのゲームを通じて感じるのは、そういったメンタルの部分の強さ、タフさですね。そうじゃないと、長丁場のハードなリーグを戦っていけない。そこが、日本国内との大きな違いだと感じています」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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