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日本ラグビー協会新会長は敏腕営業マン ファン拡大へ、盟友率いるリーグと連携強化

国立競技場で行われた7月のフランス戦では多くのファンが日本代表ジャージーを着て観戦していた【写真:Getty Images】
国立競技場で行われた7月のフランス戦では多くのファンが日本代表ジャージーを着て観戦していた【写真:Getty Images】

新会長として取り組む3つの目標

 就任直後の大仕事となったのは、テストマッチ4連戦。就任前の6月18日のウルグアイ戦から始まった代表戦だが、このテストマッチが内外への新会長の挨拶の場にもなった。試合開催地周辺の地域協会トップと直接会い、“横の繋がり”も強めた。

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「この前の日曜日もですけど、都道府県協会の会長と話し合い、意見を聞いています。例えばリーグワンについても、彼らにしてみれば、トップリーグでは長らく公式戦を開催してきた。例えば北海道でも、リーグ参入チームはないけれど毎年公式戦何試合かはあったじゃないですか。これがなくなってしまったことに不満もある。そういう意味では、いろいろなことが大きく変わった今年1年だった。ここを、これからどうやっていくのかが、1つのチャレンジです」

 国内の地域協会との繋がりの話は、そのまま国際舞台の視線へと広がっていく。

「もう1つのチャレンジ。それはやはり再び開催を目指すワールドカップ(W杯)ですね。ここまでも岩渕専務理事を中心に、ワールドラグビーや海外協会首脳と多くの関係性を持っています。でも、もっと世界との結びつきを強めていかないと、ワールドカップを日本に持ってこれないなという思いはありますね」

 6月26日の就任会見では、新会長として取り組む目標を3つ挙げている。

 真っ先に語ったのが、前述したW杯を再び日本で開催すること。「そのためには、代表強化はもちろんですけど、日本のラグビー協会が世界でナンバーワンの、誇れる協会になることです」と、協会の整備、強化も課題だと唱えた。

 もう1つは代表チーム強化。15人制はW杯で男女ともベスト4以上を狙えるチームに、7人制ではオリンピックでのメダル獲り。

「そのためには各国協会との連携、レフェリーの育成も課題。男子のワールドカップでは、まだ試合を吹けるレフェリーはいない。これは、代表強化においても重要な問題だと思っています。女子、7人制の普及も、まだまだ道半ばだと思う」

 3つ目の目標として挙げたのは、ラグビーの人口を増やすこと。「小中学生のメンバーは増えていますが、残念ながら高校、大学、社会人、このへんのメンバーが減っています。女子は少し伸びているのかな? それでも全体的な人数はまだまだ少ないと思っています。これは3地域協会(関東、関西、九州)をはじめ、全国の協会としっかりと手を組んで、全国から素晴らしいメンバーを育てるのはもちろんですけど、1人でも多くの子供たちがラグビーをできる環境と、ラグビーを教える人たちを支える環境を協会が中心となって整備していきたい」と柱になる挑戦を説明した。

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土田 雅人

日本ラグビーフットボール協会会長 
1962年10月21日生まれ、秋田県出身。名門・秋田工高で頭角を現すと、同志社大に進学し平尾誠二らと大学選手権3連覇を果たす。卒業後はサントリーに入り、ラグビー部で活躍。95年に現役を引退してサントリー監督となると、1年目で日本選手権優勝に導いた。97年からは日本代表フォワードコーチとなり、監督となった平尾を支えて99年W杯を経験。2000年からは再びサントリーを率いた。本業でも要職を歴任するなか、15年に日本ラグビー協会理事に、今年6月には新会長に就任した。

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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