田中希実のファンを想う行動 雨上がりの広島、凍える少年たちに贈った1枚のカード【世界陸上】
米ファンは無名、国籍に関係なく熱狂、田中もいつか渦の中心へ
初めて米国で開催された世界陸上。どんな選手にも現地のファンからリスペクトの拍手が送られていた。筆者は陸上の世界大会取材が初めて。驚いたのは中長距離の熱だ。無名でも、国籍が違っても、ハイパフォーマンスなら関係ない。視線を一身に集めたアフリカ勢。観客はデッドヒートにどこまで燃えるんだというくらい叫び声を上げ、心から観戦を楽しんでいた。
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日本のレース。田中の走りには確かにその熱がある。6月の日本選手権5000メートル決勝で廣中璃梨佳(日本郵政グループ)を置き去りにしたぶっちぎりVは、ファンを沸かせた。今大会は800メートル予選敗退、1500メートル準決勝進出、5000メートル決勝12位。「何の涙かわからない」と取材エリアで頬を濡らしたが、誰もやったことのない挑戦は熱かった。
「私はもっと強くなりたい。何十年先も記憶に残る選手に。その時々で記憶に残る選手はいるけど、何十年先にも残る選手となったら、やっぱり結果も明確に残しておかないといけない」
いつか世界のファンも熱狂させる。頑なに意志を貫く熱い走り。ファンは次の挑戦を期待している。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)