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36歳藤田さいき、11年ぶりVへ燃やす執念 PL野球部OBも「肺が潰れる」と舌を巻く猛練習

ザ・マスターズ天草コースで練習する藤田さいき【写真提供:南野剛之氏】
ザ・マスターズ天草コースで練習する藤田さいき【写真提供:南野剛之氏】

スマホの灯で打ち続けた日暮れのバンカー練習「入るまで」

 場所は熊本・ザ・マスターズ天草コース。藤田は、元埼玉西武ライオンズの元トレーナー黒岩祐次氏の指導で、腰にベルトを付けた坂道ダッシュ、補助器具を使った手押し車などをひたすら繰り返したという。元PL学園高野球部の南野氏も同じメニューを消化しようとしたが、「肺が潰れるかと思うぐらい、苦しくてハードな内容でした」と振り返る。

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 練習ラウンドでは、1つのショットに納得がいかず、藤田がその場で長時間打ち続けたことがあるという。

「もう、お客さんも帰られた時間帯でしたが、藤田さんがラウンドを中断して40ヤードのバンカーショットを打ち始めました。私はずっと球出しをしていましたが、日が暮れて、最後は手元で照らすスマホの灯だけが頼りでした。旦那さんが、『こうなったらカップインさせよう』と言って、藤田さんも『分かった~』と。結局、開始から3時間半が経った時にグリーン上で『コロン』という音が鳴って、練習は終わりました」

 全ては優勝するための執念だった。藤田はそれ以前から、南野氏らを前に「また、優勝したいです。どうしても」と話していたという。その“本気”は、クラブメーカー、マネジメントら他のサポートメンバーも突き動かしている。

 そして、藤田は今季2位3度の好成績。今大会は1打差で「あと一歩」だったが、悲観はなく「まだ6月ですから」と言った。アクシデントがあっても、藤田には「やれる限りをやってきた」という自負がある。だからこそ前を向き、17日開幕の次戦ニチレイレディス(袖ヶ浦CC新袖C)でも、勝利を目指す。ひたすらに。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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