ラグビー・リーグワン開幕1年目総括 平均観客数3227人と苦戦、関係者が明かした実情
ラグビーの新リーグ「NTTジャパンラグビーリーグワン」が、5月29日の決勝戦で1シーズン目の幕を閉じた。決勝では埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)が東京サントリーサンゴリアス(東京SG)を18-12で下して初代王座を獲得。昨季閉幕したトップリーグ決勝と同じ相手をノートライに封じ込む“連覇”で、新リーグ盟主を印象付けた。
熱戦が繰り広げられたリーグワン、運営面では不安材料も噴出
ラグビーの新リーグ「NTTジャパンラグビーリーグワン」が、5月29日の決勝戦で1シーズン目の幕を閉じた。決勝では埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)が東京サントリーサンゴリアス(東京SG)を18-12で下して初代王座を獲得。昨季閉幕したトップリーグ決勝と同じ相手をノートライに封じ込む“連覇”で、新リーグ盟主を印象付けた。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
グラウンド内では熱戦、好ゲームが繰り広げられた一方で、開幕前からの都合1年あまりに2チームが事実上の廃部となり、2チームが強化体制を含めたチーム再編を打ち出すなど、リーグワンは発足直後から不安材料も噴出している。プロ化への移行など国内ラグビーの構造改革を目指す新リーグの1年目を終えての収穫と課題、そして2シーズン目以降に挑戦すべきポイントについて考える。(取材・文=吉田 宏)
◇ ◇ ◇
わずか6点差という白熱の展開ながら、王者・埼玉WKの圧倒的な強さを印象づけた決勝を終えて、リーグワンが発足1年目の幕を閉じた。
コロナ禍のなかで、開幕戦を筆頭に頻発する中止を乗り越えて成立したファーストシーズン。リーグ運営のトップに立つ玉塚元一理事長は、決勝戦翌日の30日に行われた年間表彰式で感慨深げに挑戦の1年を振り返った。
「皆で知恵を出し合って、なんとか乗り切った初年度という印象です。グローバルな舞台で戦ってきた選手と日本をこれから背負っていくような選手が、切磋琢磨してチームのレベルが上がっていった。それを証明できた初年度だったのかなと思います。
一方、反省すべき点、まだまだ改善できる点もたくさんあるのも事実です。もっと買いやすいチケットの仕組みですとか、ラグビーファンをもっと広げるためのマーケティングですとか、改善できる余地があるということは大きなチャンスがあると思います。これからしっかり初年度をレビューして、さらに良い、ファンの皆様に満足していただけるジャパンラグビーリーグワンを作っていきたいと思います」