休部の宗像サニックス、なぜライバルからも愛された? 選手の姿に見えた敬意の理由
どんな相手にも勇敢に挑んだブルースの記憶
発足1シーズン目のリーグワンは、いよいよクライマックスのプレーオフ、入替戦でシーズン最終コーナーへと駆け込んだ。頂点を目指す華やかな争いの一方で、休部のブルースとともに、7月にチーム再編成をするNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪も、現行チームでの最終戦を迎えている。
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1年前に実質廃部となったコカ・コーラレッドスパークスを加えると、1年あまりで4つのチームが姿を消すことになる。そのなかでも、紹介した対戦相手の配慮を見ても、ブルースの活動休止への思いは特別なものがある。
そこには、親会社の資本や、チームの置かれた境遇に関係なく、どんな相手にも果敢にボールを動かし、挑み続ける異色のアタッキングチームへの憧れや、共感がある。逆境に屈せず、巨大な相手に挑み続けた日本ラグビー界のドン・キホーテ。記録の上では、昇降格を繰り返すボーダーラインを走り続けたチームとして残されるが、同じピッチに立った選手、コーチ、チームの中には、冒険心と不屈の魂を持ち続けたブルーのジャージーの記憶が焼きつけられている。
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)