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体重超過の相手と戦う谷口将隆 計量舞台裏の叫び「怖い。負けたらどうなるんですか」

体重超過を犯した石澤開、会場は騒然とした【写真:浜田洋平】
体重超過を犯した石澤開、会場は騒然とした【写真:浜田洋平】

谷口はマネージャーと相談「脱水状態じゃないんだから、もっと落としてほしい」

 2時間の猶予を与えられた挑戦者の石澤は、会場ホテル内のサウナに入って体を動かした。ガムを噛み、唾液で少しでも水分を出す。しかし、体重は落ちない。谷口陣営にも情報が入り、再計量をクリアできなかった場合の条件を整理。試合中止の選択肢もある中、陣営は「興行は流せない」と開催の意向だった。

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「ほぼ(2階級上の)フライ級の体重なので、だいぶ違う。2.5キロは相当な差。怖いところはある」と明かしていた谷口。報道陣の前では明るく、強気な姿勢に努めたが、陣営と話した時には首を縦に振れなかった。1時間ほどやり取りした深町信治マネージャーが明かした。

「本人は試合したいけど、リミットから『+3キロまでは譲りたくない』と言われました。(試合までの回復時間を短くするため)当日計量の時間も遅くするように求めていました。『(最初の計量時点で)脱水状態じゃないんだから、もっと落としてほしい』『再計量で1キロは落としてほしい。落とさないなら試合はやらない』と。

 悔しい部分もありますが、戦う場を用意してもらっている。僕からは『世界戦で協賛もいるし、チケットを買ってくれた人もいる。ご挨拶にいった鹿児島や神戸の後援者もいる』と話をしました。プロモーター、後援者、スポンサーへの責任もある。あと、ビジネスとは関係ないですが、(谷口の母校の)大学ではパブリックビューイングもやる予定です。そういう人もいるので……。卑怯な手かもしれませんが、パーソナルな部分も交えて伝えました」

 普段、明るいキャラクターの谷口は語気を強めて意見を述べていたという。

 午後3時35分。谷口の願いも虚しく、石澤は再計量でも2.3キロ超過の49.9キロでパスできなかった。両陣営、JBCらで協議。石澤も可能な限りコンディションを整えなければ危険性が増すため、陣営の高城正宏会長は当日計量をリミットの+4キロ(51.6キロ)で打診した。

 しかし、谷口の求める「+3キロ」は譲歩せず。グラブのハンデはなし、石澤のみ受ける当日計量は午後5時半に設定。この日の再計量から26時間で700グラムしか増やせない条件となった。高城会長によると、石澤は20日午前に脱水の影響で突如体調を崩し、休息後に取り返そうと夜から再練習。しかし、夜の時点で残り2.5キロから落ちなかったという。

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