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上田桃子、35歳でも輝く存在感の背景 大スランプの6年前、名伯楽に教えられた気と技

「さまざまなことに挑戦していくからこそ年々、進化しています」荒川氏からの教えを胸に、辻村コーチと二人三脚で練習を続ける
「さまざまなことに挑戦していくからこそ年々、進化しています」荒川氏からの教えを胸に、辻村コーチと二人三脚で練習を続ける

ストイックな姿は若手の憧れ…辻村氏「桃子のように基本を」

 荒川氏は同年12月4日に逝去した。86歳だった。辻村氏と上田が指導を受けた期間は、約6か月。同年に結果は残せなかったが、翌17年には3年ぶりの優勝を含めて2勝を飾った。そして、19年以降に4勝を積み上げている。その経緯を踏まえて辻村氏は言った。

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「荒川先生との出会いこそ、桃子が復活できた大きな理由です。今も練習から『気』を入れていますし、さまざまなことに挑戦していくからこそ年々、進化しています。あのフェードボールもその1つです」

 30歳での出会いをきっかけに、上田は真の復活を遂げた。海外試合でも結果を残し、20年の全英女子オープンでは6位。今年3月のHSBC女子世界選手権では13位で、今年6月の全米女子オープンにも出場する。さらに国内メジャー初優勝を目標にすることも宣言。そのストイックな姿は、将来に不安を感じる若手選手の憧れだ。若手プロやアマ選手も指導する辻村氏は言った。

「桃子の基本を大事にして、地道な練習を繰り返す姿勢は多くの選手に見習ってほしいです。若いうちは、勢いで勝つこともありますが、長くプレーするためには進化を止めないことです。そして、桃子のように強い気持ちを持ち続けることだと思います」

 簡単には真似できないことだが、上田は身をもって、若手たちの「お手本」になっている。

■辻村明志(つじむら・はるゆき)
 1975年(昭50)9月27日、福岡県生まれ。10歳でゴルフを始め、中学時代に日本ジュニア4位。千葉・東京学館浦安高に進み、日大では1年から団体戦レギュラーとして活躍。卒業後、ツアープロに転身してチャレンジツアーで最高2位、01年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年の同ツアーにフル参戦。その後、コーチに転身し、現在は上田(ツアー17勝)、吉田優利(2勝)、松森彩夏(1勝)らを指導。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。愛称は「ツジニイ」。著書は「女子プロと一緒に上手くなる!チーム辻村最強ドリル」(ゴルフダイジェスト刊)など。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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