村田諒太VSゴロフキン「奇跡の一戦」成立の苦労 史上最大20億円超の興行ができるまで
村田諒太が語った陣営の苦労「どうしても経済規模が違う階級」
「かなりの条件が揃わないと、ミドル級のタイトルマッチなんかできない。どうしても経済規模が違う階級。なぜ、日本でライト級から上の世界チャンピオンがなかなか出なかったのか。(金銭面では)日本主導で動かせない。ミドル級で世界戦をやることは、もの凄いリスクを背負いながらいろんな方が動いてくれている。それでやっとタイトルマッチにたどり着く。(数を重ねると)当たり前のことのようになってしまうんですけど、実はもの凄い勘違い。
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だから、2年間試合ができないという状況で気づくのは『自分がいかにやってもらっていたか』ということ。『何でできないんだ』という感じじゃないわけですよ。『もの凄い大変なことをしてくれていたんだな』と、この2年間で改めて思いましたし、コロナ禍が改めて自分の置かれている環境のありがたさを教えてくれました。帝拳ジムの皆さんがこうやって試合を組んでくれたおかげ。そこに対しての感謝は大きくなる。ここまで待ってくれたゴロフキンへの感謝も大きい」
興行を無事に開催することがプロモーターの仕事。約50年にわたって日本のボクシング界を見てきた本田会長は、2年間耐え続けた村田への労いと期待を口にした。
「村田は本当によく頑張りました。精神的に凄いです。自分を律するところは天性の物。(ゴロフキン相手に)同じ動きをしてはいけません。すぐに読まれます。ゴロフキンは相手に打たせることを本当に嫌う選手。ジャブは本当にうまい。ジャブでコントロールされたら終わり。村田のボクシング脳は私なんかより上です。考えに考えに考えている。それに期待しています。接近してプレッシャー(圧力)を掛けられるかどうかです」
世紀の一戦まで1日。本田会長は「待った甲斐があります」と日本人王者を送り出す。あとは村田が勝つだけだ。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)