父に「4回は受けろ」と強く勧められたプロゴルファー 鶴岡果恋が早く勝ちたい理由
父「4回まで受けろ」のプロテストに一発合格もQT失敗
プロ5年目を迎える鶴岡は、兄2人の影響を受けて10歳からゴルフを始めた。だが、のめり込むことはなく、他のスポーツにも関心を持っていた。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「兄たちは中学に上がるタイミングでゴルフをやめたので、私もやめてバレーボール部に入るつもりでした。でも、私をプロにさせる気満々の父は『絶対にダメだ』と。私は結構、抵抗していたんですけど」
そんな思いとは裏腹に小6の鶴岡は、大会で好成績を残していた。中学時代も日本ジュニアなどの全国大会に出場。高校は、同じ練習環境だった1学年上の原英莉花に続いて湘南学院に進んだ。
「英莉花先輩がいたので高校まで頑張れました。2年になってからは『プロを目指そう。でも、大学に行きたい』という感じでしたが、父からは『高校を出たら受けろ。大学に進んだと思って4回までは受けろ』と言われていました。でも、さすがに『4回は嫌だ』と思い、そこからはめっちゃ練習しました」
結果は一発合格だった。幼い頃から仲が良い稲見が、合格ラインの20位タイだった中、鶴岡は渋野日向子と同じ14位タイで突破。渋野と同様に前年度テストに失敗していた原は、10位で合格した。
「すごく嬉しかったです。父親が本当に喜んで『良かったな~』と言ってくれました。今になっても、唯一の親孝行だったと思います(笑)。その頃は調子が良くて、練習ラウンドから『いけるかも』という感覚はありました」
しかし、約3か月後に開催されたQTは2次で不通過。3日間で通算11オーバーだった。
「全然ダメでした。プロテストに合格してホッとしていたし、気合も入っていませんでした。ただ、新人はステップ・アップ・ツアーに出場できるので助かりました。翌19年の最終QTは42位。何人かが休んでいたら出られる順位でした」
20年は、新型コロナウイルス感染拡大で大幅に試合数が減り、シーズンは翌21年と統合された。だが、鶴岡はQT順位から、ステップ・アップ・ツアーと両にらみで出場試合を決めていた。その中で、同年12月に開催された「増枠QT」を4位で通過。21年に実施された2度のリランキングでも上位に入り、統合シーズン計52試合のうち40試合出場を果たした。
「昨年の前半戦はいい流れがありましたが、終盤は体力が持ちませんでした。疲労がすごいのと、家に帰れないストレスも重なりました。試合は楽しいのですが、遠征地で月曜にコロナ検査、火曜は空いて、水曜に練ラン(練習ラウンド)という週もありました。家と地元が好きなのできつかったです。自然とやせて心配もしたのですが、バンバンに振れていて飛距離は落ちませんでした。ただ、4日間大会の最終日は疲れてショットが曲がっていました」