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日本フィギュア界が抱えるリンク減少問題 競技人生で4つ本拠地を失った鈴木明子の提言

生涯スポーツとしてフィギュアスケートがブームに

 日本のリンクでは一般利用の客足が落ちる中、「大人のスケート教室」に流行りの兆しがあり、人数が増えています。テレビで見ていたフィギュアスケートのファンの方たちが「自分も滑ってみたい、滑るなら週に1回でも」と。本当に、皆さん一生懸命にやられています。

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 大人からすれば趣味のひとつかもしれませんが、子供たちと根っこは同じ。大人になって“できないことが、できるようになる”という喜びはもちろん、体の軸をしっかりさせるためにもうちょっと陸でトレーニングしてみようかなと思うようになれば、健康の観点からも良いこと。スケートは子供が小さいうちに習うものという感覚から、生涯スポーツとしての習い事のスケートがもっとブームになってほしい。

 大人たちがスケートを楽しむにしても、実際に試合に出るとなると、現実的ではありません。でも、前述のデトロイトでは地域の方を集めた発表会の場があり、趣味からさらにモチベーションも上がっていく。こうした試みも、日本が参考になるひとつかもしれません。

 今大会も94年ぶりとなる五輪3連覇を目指した羽生結弦選手などが注目され、大いに盛り上がりました。しかし、このブームを一過性のもので終わらせないためには今、未来について考えることであり、そのひとつに「スケートリンク減少問題」は存在しています。

 まずは、こうした問題があることを多くの方に知ってもらうこと。それが、フィギュア界にとって大切な第一歩だと思います。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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鈴木 明子

THE ANSWERスペシャリスト プロフィギュアスケーター

1985年3月28日生まれ。愛知県出身。6歳からスケートを始め、00年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い、03-04年シーズンは休養。翌シーズンに復帰後は09年全日本選手権2位となり、24歳で初の表彰台。10年バンクーバー五輪8位入賞。以降、12年世界選手権3位、13年全日本選手権優勝などの実績を残し、14年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で現役引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、全国で講演活動も行う。

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