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モンゴル人力士の活躍で興味 リーチ マイケルが発掘、ラグビー留学生「ノロブ君」とは

「いつかモンゴル代表の監督に…」、引退後はインドや韓国の強化にも興味

 しかし、ダバジャブの存在は出発点。「ノロブ君をモデルケースにして、男子か女子か分からないけど、モンゴルからもう一人連れて来たい」。彼の挑戦は現地でも少しずつニュースになっているといい、今後の構想も描いている。

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「いろんな学校を回って話をすれば興味を持ってくれる。足が速い人が活躍できれば、足が遅くて体が大きい人もボールを持ってレスリングや相撲(のような動き)をして活躍もできる。いろんなポジションがあるから、そういう楽しさを知ってもらうためにも、また子供たちに会いに行きたい」

 関心はモンゴル以外にもある。

「インドは強くなってほしい。人口が多く、もともとイギリス領だったから(文化的にラグビーと親和性もある)。インドは頑張ってほしい。韓国も以前は結構強かった。韓国の会社が日本で日本のリーグに参加できたら一番嬉しい。それで韓国代表が強くなれば、面白い」

「いっぱいある」というプランも次々飛び出す。「日本にチームを1つ作って、アジアからトップ選手を連れてきて育てることが一番やりたい」。バーバリアンズのようなチームを作って日本のリーグに参加する、アジアのコーチを日本に連れてきて指導合宿をする――。

 この話をしている時、リーチは見るからに楽しそうだった。それを指摘すると「ずっと、そんなことばかり考えているから。今は現役生活をやり切った後は(アジアの強化活動に)早く移りたいなと思っている」というほど、アジアラグビーにかける情熱は迸る。

 ダバジャブについて「将来はモンゴル代表で戦うのか、日本代表を目指すのか彼次第です」と言った後で「いつかモンゴル代表の監督をやってみたい。そうなるとノロブ君を一緒に連れてこないとダメですね」。笑ってはいたが、あながち冗談には聞こえなかった。

「日本はアジアがあったから、強くなったと思っている。そこを無視して日本だけ強くなるのはできない」。かつてはラグビー小国だった日本も長い歩みを経て、世界と戦えるまでになった。その経験を還元し、発展させることがアジアの盟主の責任とリーチは考える。

 一つ、気になることがあった。なぜ、引退後ではなく現役中にこだわったのか。それを問うと、こう答えた。

「W杯が終わって僕自身が違う刺激が欲しかったし、人にチャンスを与えたかった。W杯の後はいろんな仕事が入ってきて(自分の仕事ばかりに集中するのは)もったいないと正直に思っていた。だから、僕のような人生を歩んでもらえるチャンスを違う子に与えていきたい」

 モンゴルから変える、アジアラグビーの未来。33歳、リーチ マイケルの挑戦は始まったばかりだ。

■リーチ マイケル / Michael Leitch

 1988年10月7日、ニュージーランド生まれ。15歳で留学生として来日し、札幌山の手高に入学。東海大を経て、トップリーグの東芝ブレイブルーパス(現・東芝ブレイブルーパス東京)入り。日本代表としてラグビーW杯に11年大会から3大会連続出場。15、19年大会は主将を務め、19年大会は史上初の8強進出に貢献した。2013年に日本国籍を取得。ポジションはフランカー。188センチ、115キロ。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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