リーチ絶賛の“エース候補”に秘密兵器も… ラグビー新リーグで輝く次代の“桜戦士”7選
日本ラグビーの構造改革を目指して開幕した「リーグワン」は、コロナ感染、薬物問題と苦難を抱えながらディビジョン1が第3節までを終えた。当節までに予定されていた18試合中8試合が選手などの感染、濃厚接触のために中止。開催率は55.6%となり、公式には発表されていないが関係者内で開催の目安と考えられる50%に刻々と近づいている。チーム、関係者、ファンも不安を抱えながらの戦いが続くが、ゲームに目を向ければ日本最高峰の舞台で選手が才能と技を発散し続けている。ここでは第3節を終えて、ピッチ内で輝いた次世代の新たな力を紹介する。(文=吉田 宏)
リーグワン、苦難のスタートの中で台頭する新たな才能
日本ラグビーの構造改革を目指して開幕した「リーグワン」は、コロナ感染、薬物問題と苦難を抱えながらディビジョン1が第3節までを終えた。当節までに予定されていた18試合中8試合が選手などの感染、濃厚接触のために中止。開催率は55.6%となり、公式には発表されていないが関係者内で開催の目安と考えられる50%に刻々と近づいている。チーム、関係者、ファンも不安を抱えながらの戦いが続くが、ゲームに目を向ければ日本最高峰の舞台で選手が才能と技を発散し続けている。ここでは第3節を終えて、ピッチ内で輝いた次世代の新たな力を紹介する。(文=吉田 宏)
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ディビジョン1は第3節を終えて、辛うじて10試合を消化。苦難のスタートを切ったなかでも、選手たちは能力を輝かせている。まずは次代の桜のジャージーを担う新たな力に目を向けよう。
すでに昨秋にテストマッチデビューを遂げている実績を考えれば“次代”には当てはまらないが、開幕節で2027、31年のワールドカップで日本代表の中心選手になると期待を膨らませたのが、LOワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)だ。
1月8日の東京サントリーサンゴリアスとの開幕節でいきなり先発デビューを果たすと、キックオフ直後から身長201センチ、体重117キロのポテンシャルを見せつけた。ゴール前ラックからボールを持つと、東京SGのFW勢が待ち受ける密集サイドに突っ込み、オーストラリア代表CTBサム・ケレビのタックルをかわし、身長206センチのLOハリー・ホッキングスの防御も破ってゴールラインをこじ開けた。デビューからわずか8分で決めたチームの新リーグ初トライにも、ディアンズ自身は「緊張はしてなかった。チームのセットプレーというか、サインプレー。(相手防御に)穴が開いて、自分がボールをもらってトライしただけ。この試合が初めての80分だったし、スタジアムの雰囲気が練習試合と全然違うので、本当に楽しかった」と淡々と振り返ったが、1年前は高校生相手に花園を駆けまわっていた19歳が驚異的な進化を続けていることが窺われる。
父グラントさんが、NECグリーンロケッツ東葛のトレーニングコーチを務めていた中学2年の時から日本で暮らし、千葉・流通経済大柏高1年時から注目されてきた。母国ニュージーランドでラグビーをする選択肢もあったが、ディアンズ自身は中高と日本でプレーするなかで憧れたのは桜のジャージーだった。多くの強豪大学からの誘いはあったが、「早くプロで挑戦したい」と、憧れのリーチ・マイケルがプレーするBL東京を選んだ。所属チームでの公式戦デビュー前に日本代表でデビューを遂げた経歴も異例だが、リーグワンでもいきなり別次元のポテンシャルを見せつけた。