夢は「双子でプレーオフ」 女子ゴルフで話題の岩井姉妹、2022年に立てた逆襲プラン
注目された2021年、最終QT70位で明愛「不甲斐ない」
岩井家にとって、2021年は忘れがたい年になった。姉妹はアマチュアとしてツアー大会出場を重ね、明愛はパナソニックオープンレディースで3位、6月のリゾートトラストレディスで12位に入った。埼玉栄高時代からの実績も踏まえ、姉妹で注目度が高まる中、プロテストにそろって一発合格(明愛3位、千怜9位)。雄士さん、恵美子さんは祈る思いだったというが、光太は違っていた。
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光太「僕は『2人ともテストは通るっしょ』という感じでいました。でも、600人以上が受けて20人程度しか通らないわけで、今は『すごいことをしたんだな』と思っています」
プロになった姉妹は、9月のステップ・アップ・ツアーで史上初の姉妹2戦連続優勝を果たした。千怜はカストロールレディースで首位に3打差からの逆転、明愛は山陽新聞レディースカップで逃げ切り優勝。2位に3打差リードで迎えた最終18番パー5では、グリーン右の池から2度のウォーターショットを放った。
千怜「自分のやるべきことをやっていたら、スーッと自分の世界に入った状態になり、最後まで強気でプレーできました」
明愛「池の中から打ったのは初めてでした(笑)。最初のは、深め(水深約10センチ)で迷いはありましたが、『行っちゃえ』という感じでした。打ってみると、水圧はあまり感じなかったので、もっと振れば良かったです」
姉妹への期待値はさらに上がった。だが、最終QTの結果は想定外のものになった。千怜は4日間を通して、アンダーパーがなく通算16オーバーの90位。明愛は第3日に69をマークして81位から59位に浮上、ツアー前半の大半に出場できる40位以内に入るチャンスはあったが、最終ラウンド(R)は75で通算8オーバーの70位で終えた。
千怜「調子が悪く、気分が乗らないという状態が続きました。終わってみて、最後まであきらめない心、調子が悪い中で修正できる力が必要だと感じました」
明愛「難しかったですね。気を抜いていい試合はないということも実感しました。3日目はいいゴルフができてあきらめてはいませんでしたが、不甲斐ないです」
父も悔やんでいた。娘たちに、プロテストにも匹敵するQTの重要さを伝えきれていなかったことにだ。
「『普段通りでいいよ』『楽しんでこい』と伝えていたので、緊張感が足らなかったかもしれません。結果については2人ともショックだったと思います。同じ93期生でも、前半の19試合に出られる選手がいますから」