渋野日向子と戦った高3佐藤心結 「最後の弟子にしよう」三觜喜一コーチとの9年物語
「イップスの心配なし」でプロデビュー戦から優勝狙い
三觜コーチとは3度目のタッグになる試合に向け、佐藤は「勝つつもりでいきます」と目を輝かせ、「大きな目標は海外メジャー大会で優勝」と言った。それは、今の若手選手にはリアリティーのある目標で、渋野はプロテストに合格した約1年後の19年に全英オープンを制し、笹生優花は2年後の21年に全米オープンで優勝している。だが、佐藤は冷静に自身の現在地と課題を口にした。
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佐藤「私はまだまだですし、このオフは課題のグリーン周りのアプローチとパットを磨きたいです。パットは好きですが、得意とは言えないです」
プロになれば、賞金がかかる。一打の重みを感じる連続で、一つのミスをきっかけにイップスにかかるケースも少なくない。だが、三觜コーチは「心結にその心配はありません」と断言した。
三觜コーチ「イップスはメンタルではなく、技術的な問題です。クラブの動きたい動きに逆らった動きをするため、脳が拒絶反応を起こしているだけなんです。道具の使い方を正しく理解していればいいので、うちの教え子たちは1人もイップスになっていません。それと心結はパッティングも抜群にうまい。あとはラインをどれだけ正確に読めるか、経験を積んでいくだけです」
可能性あふれる18歳。両親に大きな家を建てる夢も、遠くない将来に実現するかもしれない。
■佐藤心結(さとう・みゆ)2003年7月21日、神奈川・小田原市生まれ。祖父の影響で7歳からゴルフを始め、9歳で三觜喜一コーチに師事。小学生ではサッカー、野球にも取り組み、中学時代は陸上部に入り、砲丸投げで神奈川県西部大会優勝。高校は茨城の明秀学園に進み、今年の日本女子アマ3位、日本ジュニア4位などの好成績を上げている。161センチ。血液型B。
■三觜喜一(みつはし・よしかず)1974年12月29日、神奈川・藤沢市生まれ 東京ゴルフ専門学校卒。PGAティーチングプロA級を所持し、14年にはPGAティーチングアワードで、確立したジュニア指導法が評価されて功労賞を受賞。現在は佐藤の他、プロでは辻梨恵、下川めぐみ、藤田光里、高木優奈らも指導している。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)