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「この写真覚えてますか?」 松田直樹を唯一怒れる後輩・河合竜二の感謝とあの日の後悔

2004年、チャンピオンシップで浦和を破り、Jリーグ連覇を達成した【写真:Getty Images】
2004年、チャンピオンシップで浦和を破り、Jリーグ連覇を達成した【写真:Getty Images】

存在感がすごくて豪快な人なのに、僕にだけ見せる素顔は実は繊細

 マツさんと初めて会ったのは、2003年に僕がマリノスに入ってすぐの頃です。

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 お互いの家が近いことが分かって、「今度メシでも食おうよ」と声を掛けてもらったんです。すでに日本代表でバリバリ活躍していて、めちゃくちゃ怖かったけど、僕から「電話番号を教えてください」と言ったのを覚えています。そうしたらマツさん、ちょっと気まずそうにしていた(苦笑)。自分から誘っておいて、気まずそうな顔するなんて。

 実際にご飯に行ったのはしばらく後だし、仲良くなったのもさらに後の2005年ぐらい。もともと僕が人見知りなので、そういう輪に入れなかったこともありますが、「松田直樹」という存在があまりに大きすぎて、声を掛けてもらえるだけで当時はうれしかったんです。

 2004年の浦和レッズとのチャンピオンシップ第1戦、僕がゴールを決めて勝った試合後、僕は友人と奥さんとご飯に行きました。そうしたらマツさんが友人たちと同じ店に来て、一緒に乾杯したのを覚えています。もちろん、すべてマツさんが支払ってくれました。やっぱりかっこいいです。

 マツさんは豪快に支払ってくれるんですけど、後になって「俺、払い過ぎたわ~」って凹んだりして、それを僕にだけ見せてくるんです。ちょっとうれしかったですね。「こんな人間らしいところもあるんだ」って。

 それだけ存在感があって豪快な人なのに、意外かもしれませんが、周りの評価をすごく気にする人で、実は繊細。もし、今のSNS全盛時代に生きていたら、エゴサーチをしまくっていると思います。そして、一喜一憂しているかも(笑)。そんな素振りを周りには微塵も見せないくせに、2人の時は僕にだけ、そういう姿を見せてくるんです。

 マツさんって僕のこと、どう見ていたんだろう? マツさんと僕は先輩・後輩の関係なんですが、よくケンカしたんです。最終的には、僕が正論を言って、マツさんを論破する。周りからは「マツは竜二には全部見せていたね」と言われたんですけど、今、いないことが本当に信じられません。

 実は隠れて努力もしていました。特にすごかったのは食事面。試合に向けた調整でオンとオフがあるんです。「今は絞る時期だ」「頑張る時期だ」というオンの時はお酒も一切飲まないし、ほんのちょっとの油も許さない。ただし、オフの時は食事のはしごをしちゃう。「今日は食う日だ!」と言って(笑)。僕はそれに付き合わされ、ステーキを食べた後にパスタを食べに行く。ちょっとありえないですよね?

 でも、めちゃくちゃサッカーが好きでしたね。海外も含めて、サッカーの試合をとてつもなく見ていて、食事中の話題はほとんどサッカー。「あいつ、伸びてきたよな」「あのプレーはどうなんだ?」とJリーグや海外を問わず、ずっとサッカーの話をしているから「この人、大丈夫かな?」と心配になったぐらい(苦笑)。あんなにサッカー好きな人、僕は見たことないです。

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