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ラグビー日本代表候補発表 リーチ、松島だけじゃない…2023年W杯へ期待の新戦力は

ラグビー日本代表候補52人が12日に発表された。新型コロナウィルスの影響で2019年ワールドカップ(W杯)日本大会以降、活動が中断されてきたが、ようやく2023年フランス大会へ向けた挑戦がスタートする。トップリーグ終了後の5月24日には代表メンバーを35人に絞り込み、26日から大分での合宿を再開する新生ジャパン。19年大会を上回る世界トップ4入りを掲げる23年W杯へ、期待の新戦力と課題を考える。(文=吉田宏)

ベスト8進出を果たした2019年のラグビー日本代表【写真:Getty Images】
ベスト8進出を果たした2019年のラグビー日本代表【写真:Getty Images】

日本代表候補は52人、期待の新戦力と課題を吉田宏記者が考察

 ラグビー日本代表候補52人が12日に発表された。新型コロナウィルスの影響で2019年ワールドカップ(W杯)日本大会以降、活動が中断されてきたが、ようやく2023年フランス大会へ向けた挑戦がスタートする。トップリーグ終了後の5月24日には代表メンバーを35人に絞り込み、26日から大分での合宿を再開する新生ジャパン。19年大会を上回る世界トップ4入りを掲げる23年W杯へ、期待の新戦力と課題を考える。(文=吉田宏)

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 フランスへのスタートラインに52人の選手が立った。2019年W杯メンバーは半数以下の21人。ノンキャップ選手も21人という顔ぶれに、コロナ感染の影響でニュージーランド(NZ)に留まるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、こうコメントしている。

「今回のスコッドは、経験値のあるプレーヤーと今後代表でプレーしていくポテンシャルを持つプレーヤーのバランスが上手く取れています。これからの2年でチームの層を厚くしていく必要があり、今回のスコットランド遠征はそのスタートにすぎません」

 5月26日から始まる代表合宿(大分)に参加できるのは候補52人中35人。藤井雄一郎・日本代表ナショナルチームディレクター(NTD)によると、選考は前回W杯メンバーを中心に、トップリーグ(TL)で調子が良かった選手、代表で直接見たい選手を集めている。35人の顔ぶれも、ジョセフHCの頭の中ではほぼ決まっているようだ。後は怪我などのコンディションを確認しながら、国内の選抜メンバーとの対戦が濃厚な6月12日の強化試合(静岡・エコパ)、そしてテストマッチ扱いとなる26日のブリティッシュ・アイリッシュライオンズ戦(スコットランド・マレーフィールド)に向かう。

 メンバー選考で重視されるのは、ベスト8進出と躍進した19年W杯当時と変わらない。藤井NTDが「前回同様しっかりプレッシャーの中で正確なプレーできるかどうかが第一で、この選手ならというのを頭に置いて選んでいる」と語るように、19年大会の日本代表を支えたのは、対戦相手を上回る高いプレーの精度だ。フィジカルや経験値で勝る相手に、精緻なサインプレーや組織防御で渡り合いトップ8に辿り着いた。さらなる高みを目指す2年後は、強豪国相手の重圧の中で、どこまで19年大会以上の精巧なプレーができるかが、選手に求められることになる。

 スタートラインに立つ52人の中で、2年後の4強入りへ期待の戦力をみていきたい。まず今季に限っては、最も重視されるのは外国出身選手のセレクションになる。なぜなら、今年中に日本代表としてテストマッチに出場しなければ、23年W杯に出場できない可能性がある選手がいるからだ。

 ラグビーの統括団体ワールドラグビー(WR)は、外国籍選手が1つの国に36か月“継続的に”居住した場合に代表資格を認めてきた。だが国際化が進む中で、居住条件を36か月から60か月に延長することを決定。新規約は来年1月から適用される。今年の代表戦までに居住3年を満たす選手は従来通り日本代表になれるが、今年中にテストマッチ出場が出来ない場合は60か月の継続居住が必要になる。

 藤井NTDは「クリアできる選手がW杯までに出てくれば、もちろん選ばれる可能性はあるが、5年はかなり厳しい」と語っている。W杯開幕前に資格を得て、代表に選ばれることや、最終的なW杯登録メンバーに選ばれ入ることの難しさ、代表チームの戦術理解などを考えれば、リスクがあるのは明らかだ。同NTDは「(2019年の)W杯が終わってから何度か合宿、試合を試みたが、今回は必ず開催しないといけない」と力説しているのだが、ファンに代表戦を見てもらいたいという思いと同時に、今年中に36か月居住をクリアする有望外国人選手を代表入りさせるためでもある。

 この外国人選手規約は、とりわけ日本にとって重要だ。8強入りを果たした2年前のW杯は、日本代表31人中15人は海外で生まれ育った選手だった。強豪国と比べるとサイズやフィジカリティー、そしてラグビーの経験値などで劣る日本選手を補い、世界と渡り合うためには、海外強豪国出身の選手の力が欠かせなかったからだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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