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トップリーグ開幕から3週間 バレット、レイドローら“豪華助っ人”パフォーマンス診断

トヨタ自動車のフーパーも世界屈指の「ジャッカル」披露

 そのサントリーの対抗馬と目されるトヨタ自動車も、ワールドクラスのレジェンドが実力を見せつけた。今季加入したFLマイケル・フーパーは、オーストラリア代表105キャップを誇り、今も主将としてチームをリードするスーパースターだ。バレットと同様に「サバティカル」という特例を使い、原則1シーズン限定で来日。これは、長期に渡る代表やトップレベルのクラブでの試合に対する休養、コンディショニングが目的の特例だが、TLでのフーパーは、先に挙げたペレナラ、バレット同様に調整とはかけ離れた、激しく、ひたむきなプレーを見せ続けている。

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 フーパーが世界トップクラスと称賛されるのは、タックルとタックル後のブレークダウンでボールを奪い獲る「ジャッカル」の技術。身長182センチ、体重101キロのサイズは、日本人FWの中でも小柄だが、世界最高レベルのボールハンターだ。

 外国人選手の出場枠の問題で、開幕節の東芝ブレイブルーパス戦は後半10分からの出場だったが、同30分には敵陣でタックルを受けた東芝の選手のボールに両腕を絡みつける得意のプレーを披露。日本代表主将の東芝FLリーチ・マイケルも瞬時に反応したが、フーパーの腕をボールから剥がすことは出来なかった。

 フーパーは、2月に行われたインタビューで自らのサイズについて「FLというのは、体のサイズにとらわれないポジションだと考えている」と語っている。体の小ささをハンディキャップどころか、持ち味、強みと捉えているのだが、デビュー戦での低い姿勢からボールに絡みつくジャッカルで、いきなり持論を証明してみせた。

 第2節も後半18分からの出場となり、大きな見せ場はなかったが、初めて先発出場したNTTコミュニケーションズシャイニングアークスとの第3節で、そのパフォーマンスを全開させた。

 開始8分、14分と立て続けに相手ボールに絡んでPKを獲得。14分の反則からの攻撃では、オーストラリア代表でも何度も見せてきたタッチ際でパスを受けての独走でゴール前に迫り、その後のトライの起点となっている。直後のホンダの猛攻では、自陣22メートル内での日本代表PR具智元の突進に襲い掛かかりボールをノックオンさせると、33分には相手のファンブルボールを素早い反応でキャッチして、CTBロブ・トンプソンのトライをアシストと攻守に存在感を披露。ベンチスタート以上に、先発出場で威力を発揮することをしっかりとアピールした。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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