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大学ラグビー開幕 “いつもと違う”シーズン初戦で大学王者が見せた“いつもと違う姿”

ラグビーの関東大学対抗戦、リーグ戦両グループが10月4日に開幕した。新型コロナウィルスの影響で1か月遅れのスタートとなったこの日は、両グループ(1部)に参加する全16チームが揃って第1戦に臨む中で、東京・北青山の秩父宮ラグビー場では、観客数を5000人に制限した中で、昨季大学日本一の早大が青学大に47-21と競り勝った。

試合風景&スタンド(ゴール裏が学生隔離席)【写真:吉田宏】
試合風景&スタンド(ゴール裏が学生隔離席)【写真:吉田宏】

関東大学対抗戦、リーグ戦両グループが4日開幕

 ラグビーの関東大学対抗戦、リーグ戦両グループが10月4日に開幕した。新型コロナウィルスの影響で1か月遅れのスタートとなったこの日は、両グループ(1部)に参加する全16チームが揃って第1戦に臨む中で、東京・北青山の秩父宮ラグビー場では、観客数を5000人に制限した中で、昨季大学日本一の早大が青学大に47-21と競り勝った。

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 春シーズン、夏合宿を見送った早大は、FL相良昌彦(2年、早実)、FB河瀬涼介(3年、東海大仰星)ら昨季Vメンバーをけがで欠く布陣で、昨季92-0と圧倒した相手にタックルやコンタクトで苦戦を強いられながらの白星発進。開門前から秩父宮に集まったファンの期待に応えた。

 同じ対抗戦では、同会場で筑波大が慶大に30-19と快勝、2シーズンぶりの大学日本一を狙う対抗戦王者・明大は立大に73-15と大勝した。リーグ戦は、3連覇を狙う東海大が関東学院大に52-24と快勝する一方で、3季ぶり優勝をめざす大東大は専大に19-29で敗れた。

 ◇ ◇ ◇

 スタジアムにラグビーが戻ってきた。

 開場時間の午前10時30分には、数十人のファンが聖地・秩父宮のゲート前に陣取ったラグビーシーズンの開幕を告げるキックオフ。大学王者として臨んだ早大は、青学大の闘志あふれるタックルに苦しみながらも、白星で“いつもと違う”シーズンのスタートを切った。

「まず、今日こうやって開幕を無事迎えられたことを本当に嬉しく思います。栄えある開幕戦を、観客のいる秩父宮で迎えられたことを本当に嬉しく思っています。こういうこのコロナ禍の中で、選手も期するものが大きすぎて終始硬くなっているような試合だったと思いましたし、ミスも多くてなかなか流れの掴めない試合でしたけど、開幕戦を無事に勝利できたことをポジティブに捉えて次の試合に向けて、また頑張っていきたい」

 いつもは試合後の会見で訥々と話す相良南海夫監督も、異例のシーズン幕開けに感慨深げに口を開いた。この日、大学公式戦が行われた7会場の中で、観客を入れての有料試合となったのは秩父宮のみ。多くの観客が距離を保ち、「歓声ではなく拍手で応援を」と何度も場内アナウンスが流れる試合だったが、ラグビーが出来る、ラグビーを観られるという喜びと満足感に包まれた80分間だった。

 昨季は粉砕した青学大に思わぬ苦闘を強いられた。伝統的に激しいコンタクトを避けてボールを展開するスタイルの対戦相手だが、この日は個々のタックル、密集戦に参加する2人目の選手の集散を意識して挑んできた。その結果、早大は密集戦周辺での反則やノックオンを連発。総反則数は双方12と多い一方で、ハンドリングエラーは青学大の2に対して7と大きく上回った。反則とミスで攻撃が寸断されて、伝統の展開ラグビーも精彩を欠いた。

 チャンスを作る積極的なランを何度も見せ、前半26分にはトライも決めた“走って押せる”PR小林賢太(3年、東福岡)、ボールをドライブする能力が光ったSO吉村紘(2年、同)らの個人技で終始リードを守ったが、NO8丸尾崇真主将(4年、早実)は「実戦形式の試合が非常に少ない中で開幕を迎えたので難しい面はありました。やはり最初に自分たちから仕掛けないと後手にまわってしまうことがわかったので、ミスを気にせず、アタックマインドを持ってポジティブにいけばよかったと思います」と、ホロ苦の開幕を振り返った。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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