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日本代表の強化にも追い風 ワールドラグビーが構想する“ティア2世界大会”とは

ラグビー日本代表のワールドカップ(W杯)での躍進から続く熱気の“パス”が、国内リーグに渡される中で、新たな国際大会の構想が浮上している。

ティア2大会実現なら、日本代表にどんな恩恵があるのだろうか【写真:Getty Images】
ティア2大会実現なら、日本代表にどんな恩恵があるのだろうか【写真:Getty Images】

日本も含まれる「ティア2」諸国による、世界大会の開催プランが浮上

 ラグビー日本代表のワールドカップ(W杯)での躍進から続く熱気の“パス”が、国内リーグに渡される中で、新たな国際大会の構想が浮上している。

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 ラグビーの世界統括団体「ワールドラグビー(WR)」が、世界のトップ10クラスに準じる「ティア2」と呼ばれる諸国による大会開催を検討し、対象となる諸国にも打診している段階だ。

 ラグビー界では、昨秋のW杯日本大会で優勝した南アフリカや準優勝のイングランドら世界トップ10クラスの強豪国を「ティア1」と呼んでいる。現在行われている北半球の6か国対抗や、南半球4か国によるラグビーチャンピオンシップに参加する国々だ。そのティア1に次ぐ実力を持つフィジー、ジョージアなど世界ランクで10位台の諸国がティア2と呼ばれ、日本もこのカテゴリーに位置づけられてきた。ティア1、2ともに厳密な定義があるわけではなく、あくまでも実力の“目安”として使われている。

 ティア1諸国は国内のラグビー人気も高く、代表戦の放映権料や大会スポンサー料などで億単位の資金が動く。その一方で、ティア2諸国が巨額な資金を手にすることは難しいのが実情だ。日本も参加するパシフィック・ネーションズ・カップなどティア2チームが参加する大会が大陸・地域ごとに開催されているが、運営費などはWRの“持ち出し”で、収益性のある大会運営は難しい。今回の“ティア2世界大会”が実現しても、経費の多くはWR側が捻出することになる可能性が高い。

 W杯での躍進も踏まえて、WRとしてはどうしてもティア2大会に日本の参戦は欠かせないはずだ。実際に、ラグビー協会関係者からは「日本については、ティア1とティア2の間にいるチームと位置付けられているようで、日本についてはA代表でも参加できる提案があるようだ」という情報も聞く。ラグビーでは国代表のトップチーム(正代表)を「代表」、セカンドチームと呼ばれる準代表を「A代表」と呼ぶ。日本では、このチームを「日本A代表」ではなく「ジュニア・ジャパン」と呼んでいるのだが、その“代表2軍”であっても、日本の参画を求めているというのだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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