箱根駅伝を走る基準は「月間750キロ」走破 創価大・榎木和貴監督が説く“距離を踏む”重要性
部員のほぼ全員が「朝ジョグで12キロを走っています」
――3チームに分けることができたのは、コーチの加入も大きかったのでしょうか。
「そうですね。今年からコーチになった築舘(陽介)をはじめ、3人のコーチングスタッフになったのは、いろんな面でプラスになっています。これまでは監督主導で私だけの考えを落とし込んで指導してきたのですが、今はコーチの違った視点からのアプローチが可能になりました。また、40名の選手に対して、監督1人だったので、コーチが増えたことで監督のところに行く前に相談することができるようになったので、選手にとって大きなプラスになっています」
創価大の練習メニューは箱根駅伝で結果を出すという視点で、榎木監督のこれまでの経験を踏まえて作成されている。レベルに応じて5000メートル、1万メートル、ハーフでの設定タイムが設けられ、長い距離を走る「距離踏み」がベースになる。
――年間の強化プランは、どのようになっていますか。
「箱根駅伝を目指すというところで考えると、5000メートルで13分台、1万メートルで28分台のレベルに来ないと箱根では戦えないのを選手は認識していますので、夏までにそのレベルに近づくというところに取り組んでいきます。その後、夏合宿では距離を踏んでいくという流れです」
――夏に限らず、距離を踏むというのは創価大の練習のポイントの1つですね。
「箱根に出場できなかった頃、その原因を私なりにいろいろ分析したんです。そこで見えてきたのが絶対的に走る量が足りないということでした。箱根はハーフマラソンの距離ですし、予選会もハーフを走り切る力が必要になってきます。そのために距離を踏むことの重要性を選手たちに説明し、理解してもらいました。
月間750キロを走るのを目標に、最初に始めたのがジョグの量を増やすことでした。距離を増やすには一番手っ取り早い方法ですし、選手にもストレスがかからない。最初の頃は40名いて、朝のグループ走(4分/キロ)には10名しか参加できなかったのですが、今は41名いて故障者以外はほぼ全員、グループ走で12キロを走っています」