55年ぶり箱根駅伝出場のカギは? 全日本予選“2分差”逆転へ、立教大監督が求める覚悟
箱根駅伝予選会で10位以内を狙える選手は揃いつつある
上野監督には、箱根に行くんだという覚悟が足りないと見えているのだろう。その覚悟で練習に取り組めば、力が足りずとも我慢し、きつい練習を越えて殻を打ち破ることができる。だが、覚悟がなければ、きつい練習を乗り越えるのが大変だし、本番の予選会で苦しい展開の時に食らいついていくことも難しい。全日本の予選会と同じ結果になりかねない。
「夏合宿が最大のポイントになりますね。全日本の予選のままグダグダが続くなら、箱根はとてもじゃないけど難しい。でも、ここでAチームだけではなく、チーム全員が箱根に行くんだという気持ちで一致団結して夏合宿を乗り越えていければ、箱根が見えてくると思います」
戦力的には、10位以内を狙える選手が揃いつつある。3年生では関口が安定した走りを見せており、3000メートル障害で日本選手権に出場した内田賢利は、網走の学連記録会5000メートルで14分13秒55の自己ベストを出し、長い距離に対応できれば重要な戦力になる。2年生では林が抜けた存在になっており、山本羅生は全日本の予選会ではもう一つだったが、ストイックな選手で調子を上げてくれば面白い。後藤謙昌は、ホクレン千歳大会1500メートルで3分45秒47の自己ベストを出したスピードランナー。1年生では國安広人が1万メートル28分53秒82、永井駿は29分51秒39、馬場賢人は29分08秒09を持っており、夏を越えて大きく成長しそうな可能性を秘めている。
「中間層のレベルアップとともに、うちが箱根に行けるか、行けないかは、中山(凜斗・3年)と服部(凱杏・3年)の2人の復活に懸かっているといっても過言ではないですね。中山は大腿骨の疲労骨折からの戻りがもう一つで、夏を越えてどこまで戻ってくるか。服部は精神的に走りに迷いが見えるので、心の整理がつけば戻ってくると思っています」
この2人の箱根駅伝予選会での共走は、これまで一度も実現していない。