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“出雲優勝”はフロックではない 東京国際大、史上初の快挙支えた夏合宿での取り組み

合宿で走りをチェック「いろんなところを鍛えないといけないと分かった」

 今年の1年生は、すでに佐藤榛紀が出雲駅伝で2区4位、全日本大学駅伝で1区10位と駅伝デビューを果たし、白井勇佑も出雲駅伝の4区を5位で走り、優勝に貢献した。箱根駅伝のエントリーメンバー16名には白井をはじめ、倉掛響、冨永昌輝ら3名の1年生が入った。

――駅伝デビューを果たした佐藤選手、白井選手など1年生が順調ですね。練習は、どのような感じで進めていったのでしょうか?

「基本的には水曜日がポイント練習、土曜日にレペティショントレーニング、日曜日に距離走をして、あとはフリーです。練習で大事にしているのは、しっかりとポイント練習に動けるように合わせてくるということです。この日の練習に上手く合わせられないと、試合にも合わせることができないという考えなので、そこは選手にいつも伝えています。月曜日と木曜日は朝もフリーなので選手は各自ジョグを入れたり、体幹やったり、休養して体のメンテナンスをしていますね」

――今季、何か新しいトレーニングを導入しましたか?

「今年は合宿で走りをチェックしました。つま先に近いところで走ったり、体幹はもちろん、腕やいろんなところを鍛えないといけないことが分かりました。シューズの進化で早く走れるようになってきていますが、同時に怪我も増えています。そういう部分を鍛えることで怪我を予防したり、軽傷にできたりするんじゃないかなと思って取り組みました」

――夏合宿は、何か変化を取り入れたりしたのでしょうか?

「うちの大学は、夏休みが8月頭から1か月しかないので、集中してやらないといけないんです。そのため前までは走り込みを中心にやっていたのですが、9月に入るとどっと疲れが出てしまい、練習が試合に連動していませんでした。今年の夏は、走り込みもしましたが、スピード練習やクロカン、坂の練習を入れるなど内容を少し変えました。出雲駅伝を意識したメニューでもあったのですが、そのおかげで比較的疲れが早く取れて、9月の記録会でいい感じになり、出雲駅伝にいい状態で臨むことができたんです」

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大志田秀次(東京国際大学駅伝部監督)


1962年生まれ、岩手県出身。選手時代は中央大学で箱根駅伝を走り、4年時には8区で区間賞。卒業後は本田技研に進み、86年アジア大会1500mで金メダルを獲得した。引退後は指導者の道に進み、2011年から東京国際大学駅伝部の監督に就任。創部5年目の16年箱根駅伝に初出場、20年に総合5位と短期間でチームを躍進させた。今季も勢いは止まらず、10月の出雲駅伝で初出場初優勝の快挙、11月の全日本大学駅伝でも5位に入った。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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