選手が「燃え尽きない」部活の姿 「スポーツが楽しいと知らずに辞めるのは可哀想」
選手主体のボトムアップ方式は「放任」との誤解を招く危険性もある。結果を求める父兄から、時には「もっと教えて欲しい」という声も漏れ伝わってくる。
【短期連載第3回】堀越高校サッカー部「ボトムアップ方式」への挑戦――「放任」とは異なる両者の絶妙な距離感
(第1回はこちら)
選手主体のボトムアップ方式は「放任」との誤解を招く危険性もある。結果を求める父兄から、時には「もっと教えて欲しい」という声も漏れ伝わってくる。
現在、堀越高校サッカー部のスタッフは8人。しかしスタッフも選手に負けないくらいに活発な意見交換を行い、常に選手たちが困った時には手を差し伸べる準備を進めている。逆に選手たちの方も、局面に応じて必要なスタッフに手助けを求めてくる。
監督の佐藤実(まこと)が語る。
「選手たちが、今、何を欲しているのかを、しっかり見てあげる。それを把握した上で、スタッフは正しい方向に導けるように問いかけをしていきます。ただし投げかける言葉とタイミングは、しっかり考えるようにしています。普段からガミガミ言わないだけに、一言が必要以上に浸透してしまう。
一方で先日は、守備ができていないと感じた選手たちが、蔵田茂樹(プロとしてセレッソ大阪などで10年間のキャリアを持つ元ディフェンダー)コーチに指導をお願いしていました。また堀越は水曜日がオフなんですが、ゴールデンウィーク中には試合が迫っていたこともあり、選手たちが希望して練習をしました。明確な目的があるから練習をする。この日、僕は不在だったのですが、選手たちの思いを察してあげられなかったことに気づき、ハッとさせられ自己反省しました」