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日本に多い「自分を理解していない」選手 高校年代の指導者が説く必要な“習慣”とは

どんなことでも「楽しんでいる時が一番成長する」

 そして上船とともにジェリー・ペイトン監督も再三繰り返したのは、「サッカーを楽しんでください」という言葉だった。

「どんなことでも楽しんでいる時が一番成長します。楽しむというのは、毎日高い強度の中で自分の得意なことに積極的にチャレンジすること。夢中になって勝利を目指してサッカーで起こり得るプレーを満喫することです」

 3年前、上船は淡路島でプロ選手を育てていくプロジェクトを興した。いかに破天荒なアイデアだったかは重々承知していたから、ある程度の荒波は想定していた。最初の夏には21名中16名が帰宅した。「お金儲けを考えるなら、5名しか残らない時点で終わりですよ」と今だから笑える。

 最後まで残って相生学院の生徒として卒業を迎えた12名は、全員がさらに夢を追い続ける。一期生の新天地は次の通りである。

 Jリーグ1名、ブンデスリーガU-19への加入3名、地域リーグ1名、米国留学1名、大学進学6名。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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