和歌山屈指の進学校から全国3度 坂下笑琉が確信、定期テストと柔道にある“比例関係”
柔道の全国高校総体(インターハイ)は5日間にわたって熱戦が繰り広げられ、10日に閉幕した。「THE ANSWER」は文武両道に励み、全国の大舞台に出場した選手たちをピックアップ。10日の個人戦・女子70キロ級には、近大和歌山から坂下笑琉(3年)が出場。和歌山屈指の進学校でハイレベルな学習に励みつつ、これまでに3度の全国大会出場を果たしている。部活と勉強の出来が“比例”するタイプ。両立がもらたすメリットや、継続の秘訣を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)
インターハイ柔道、近大和歌山・坂下笑琉が貫く文武両道とは
柔道の全国高校総体(インターハイ)は5日間にわたって熱戦が繰り広げられ、10日に閉幕した。「THE ANSWER」は文武両道に励み、全国の大舞台に出場した選手たちをピックアップ。10日の個人戦・女子70キロ級には、近大和歌山から坂下笑琉(3年)が出場。和歌山屈指の進学校でハイレベルな学習に励みつつ、これまでに3度の全国大会出場を果たしている。部活と勉強の出来が“比例”するタイプ。両立がもたらすメリットや、継続の秘訣を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)
◇ ◇ ◇
過去10年間で2000人以上を国公立大に送りこみ、難関私大にも毎年合格者が出ているなど、和歌山屈指の進学校として知られる近大和歌山。中高一貫校で、柔道部員は男女合わせて10人程度だが、坂下は高2から計3度の全国大会出場を果たしている。
国公立大に進学できる可能性が高い高校への進学を希望し、和歌山・貴志中から近大和歌山に合格。入試の成績が良かったためか、1年生では選抜クラスに当たる「スーパーADコース」に配属された。ただ、勉強も部活も本当の意味で充実し始めたのは、通常クラスに希望して移った高2の頃からだ。
スーパーADでは、高い学習レベルに部活をしながらついて行くのが難しかった。通常のクラスより授業数も多く、柔道部の練習には途中参加となる曜日も。さらに自宅で4時間の学習時間を取るように指示されていたが、帰宅して食事などを済ませると夜10時を過ぎていた。
「『やらなあかん!』とも思わずに『おやすみ……』という感じでした(笑)。もちろん最低限はやろうと思っていたんですけど、ついて行けなくなって。中途半端になるなら、通常のクラスで頑張ろうと思いました」
自宅でも机に向かい、最低限の復習はほぼ欠かさずできるようになった2年生の夏。坂下は和歌山インターハイ予選を勝ち抜き、初めて全国行きの切符を手にした。
中学時代は指導者が学校におらず、県大会も勝ち抜けなかったが、近大和歌山で一から基礎を教わってみるみる上達。2年冬には、近畿大会で3位に入った。