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靭帯2本同時断裂から2年 手術、応援団長経て…復活した秀才ジャンパーの現在地「自分が大学院生として残る意味」――筑波大院・柾木拓

柾木は8メートル30を目標に理想の跳躍を追い求めている【写真:中戸川知世】
柾木は8メートル30を目標に理想の跳躍を追い求めている【写真:中戸川知世】

大怪我をして見つけた「自分が大学院生として残っている意味」

 現在も理想の跳躍とは程遠い。着地で怪我への回避行動が出たり、練習での跳躍回数も限られたりと怪我の代償は想像以上に大きかった。「今は幅跳びらしくすることが一番の課題」。偶然で記録が出せるほど甘くないことは誰よりも分かっている。だからこそ、現実を受け止め、一つ一つの課題と向き合う。

 目標は8メートル30を跳ぶこと。「自分の助走速度的に実現可能」と計算済みだ。大怪我をし、越えなければならない壁は多くなったが、得られたこともある。

「日々の出来事を些細な波としか思わなくなった。放っておいても沈む波と、本当に何とかしないといけない波を見極められるようになった。日常の些細な悩みで困っている人に自分の経験も含めて提供できるようになったのは、自分が大学院生として残っている意味なのかなと思う」

「心から喜べるのは8メートル30を跳んだ時?」と質問すると、らしい回答が返ってきた。

「それもなるべくしてなる瞬間だと思う。自分の中で分かっていて跳びにいく感じ。その跳躍をまた淡々と評価していくと思う」

 誰も経験したことのない道を自ら切り開いていく。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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