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部活の常識を変える挑戦へ 「クラブ化」推進の教師とラグビー強豪校が運命的出会い

追い出しゲームでも選手たちは笑顔を見せ、心の底からラグビーを楽しんでいる【写真提供:松山吾朗】
追い出しゲームでも選手たちは笑顔を見せ、心の底からラグビーを楽しんでいる【写真提供:松山吾朗】

アルタイルズにはこれからも「楽しそうにラグビーをしてほしい」

 そして最後に、これからのアルタイルズに期待することも語ってもらった。彼らへの、ゴロー先生の“贈る言葉”でもある。

「私が平工に赴任した時は、部員5人からのスタートでした。でも、それまでの私の教え子や仲間たちが平工の練習を手伝いにきてくれると、同じことを言ってくれたんです。この子たちは、こんな楽しそうにラグビーをするんですね、と。それが最高の誉め言葉だなと、平工1年目からずっと思っています。

 この前の土曜日(3月26日)、私のアルタイルズでの最終試合を、前任だった横須賀高と組んだんです。その試合では、花園でも笛を吹く方にレフェリーをお願いしたんですけど、彼からも、こんな楽しそうにプレーする子供たちを見たのは初めてだったので、レフェリーをしていても楽しかったし、嬉しかったと言ってくれました。これからも、誰からも楽しそうだと言ってもらえるようなチームを、何よりも大事にしてほしいですね」

 高校世代の子供たちに、ラグビーを通して“居場所”を作る平塚での挑戦は、苗を植え、蕾がほころぶ段階で後任顧問と高橋爽新主将ら子供たちに託した。静岡では花園という頂点を目指す戦いと、クラブ化という2つのチャレンジが待ち受ける。

 新天地でどんな苗を植え、どんな花を咲かせるのか。“聖光のゴロー先生”のこれからに注目したい。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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