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「部活」辞めました…高校ラグビーで前例なき挑戦 ゴロー先生が“クラブ化”決断の理由

高校のラグビー部を母体に、他校の生徒も加入できるクラブへと進化を遂げたチームが神奈川県にある。平塚工科高校ラグビー部は昨夏、「湘南アルタイルズ」として始動したことを宣言。「部活」の枠を超えた高校ラグビーチームは、なぜ誕生したのか。前編では、同高教諭でラグビー部監督の松山吾朗氏が、“クラブ化”を決断した背景を追った。(取材・文=吉田 宏)

平塚工科高校ラグビー部を母体に湘南アルタイルズとしての活動をスタートさせた松山吾朗監督【写真:吉田宏】
平塚工科高校ラグビー部を母体に湘南アルタイルズとしての活動をスタートさせた松山吾朗監督【写真:吉田宏】

湘南アルタイルズ前編、平塚工科高校ラグビー部を母体にクラブとして活動開始

 高校のラグビー部を母体に、他校の生徒も加入できるクラブへと進化を遂げたチームが神奈川県にある。平塚工科高校ラグビー部は昨夏、「湘南アルタイルズ」として始動したことを宣言。「部活」の枠を超えた高校ラグビーチームは、なぜ誕生したのか。前編では、同高教諭でラグビー部監督の松山吾朗氏が、“クラブ化”を決断した背景を追った。(取材・文=吉田 宏)

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 3月12日、JR平塚駅前で、手作りの募金箱を抱えて声を上げる高校生たちがいた。

「今、ウクライナで苦しんでいる子供たちのために募金活動を行っています。ご協力お願いします!」

 彼らは慈善団体でも政治的な活動をするサークルでもない。ただの高校生、いやただのラグビー部員だ。平塚駅から徒歩15分ほどにある神奈川県立平塚工科高校の生徒たち。紹介したいのは、この募金活動ではない。地元の七夕祭りの彦星=アルタイルからもらった「アルタイルズ」と名乗る彼らが昨夏から取り組む、高校ラガーの未来を大きく広げる可能性を秘めた挑戦だ。

 2021年6月5日。チームのSNSに、こんな“宣言”がアップされた。

「『部活』辞めました。平塚工科高校ラグビー部アルタイルズは、4月から平工生以外の生徒をメンバーとして受け入れ、クラブチーム『湘南アルタイルズ』へと進化し、県協会から承認していただきました。

『クラブ化』の理由は、部員不足ではありません(平工生だけで部員は44名もいます)。単一の高校の生徒だけで活動するよりも、異なる環境、異なる背景を持つ様々な個性が集い、共通の理想を実現すべくワンチームを結成して活動した方が、ラグビーの魅力をより深く濃く味わえると思っているからです。

(中略)

『部活』か『地域クラブ』か、『勝利追求』か『そこからの脱却』か、それぞれ2択を選ぶつもりはありません。平工ラグビー部と湘南アルタイルズという二つの顔を持ち、高体連公式戦とKCリーグという両方の意義と価値を掴みにいきます! 応援宜しくお願い致します。

 湘南アルタイルズは高校生であれば誰でも参加可能です。興味のある方はぜひご連絡ください。湘南アルタイルズをどうぞ宜しくお願い致します!」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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