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ユースから異例の“移籍” 青森山田エースが“高校サッカーの10か月”で掴んだもの

試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、青森山田の選手たちはピッチに崩れ落ちた。それは、選手権連覇の夢が潰えた瞬間だった。しかし、ホイッスルが吹かれる数秒前、すでにピッチにうずくまる選手がいた。FW中村駿太(3年)だ。

青森山田のFW中村駿太【写真:編集部】
青森山田のFW中村駿太【写真:編集部】

元柏U-18エース・中村駿太が奮闘も…長崎総科大付に0-1敗戦、連覇の夢潰える

 試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、青森山田の選手たちはピッチに崩れ落ちた。それは、選手権連覇の夢が潰えた瞬間だった。しかし、ホイッスルが吹かれる数秒前、すでにピッチにうずくまる選手がいた。FW中村駿太(3年)だ。

 第96回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行い、青森山田(青森)はフクダ電子アリーナで長崎総科大付(長崎)に0-1の敗戦を喫した。

 前回王者でストライカーの役割を担うのは、J2モンテディオ山形の加入が内定している中村。昨春に柏レイソルU-18から“移籍”した。これまでもユースから高校転入という事例はあったが、ユースチームの絶対的エースを務める選手が高校へと活躍の場を移すのは異例。それは、選手権の舞台に立ちたいという想いが背中を押した決断だった。

「自分はストライカー。点を取ることでチームに貢献したい」。前日、2ゴールを挙げた草津東(滋賀)との2回戦後、中村は力強くそう言い放った。チームに加入して、たった10か月。それでも「すぐに温かく迎え入れてくれた監督とチームメートには本当に感謝しきれてもしきれない」と語る。

 だからこそ、ゴールという結果で青森山田に恩返しすることを強く望んでいた。

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