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フィギュア演技中に登場する「パンケーキ」とは スピンの種類と違いを中野友加里が解説

中野さんの代名詞と言われているドーナツスピンはどうやって生まれたのか【写真:荒川祐史】
中野さんの代名詞と言われているドーナツスピンはどうやって生まれたのか【写真:荒川祐史】

中野さんにとって代名詞と言われた「ドーナツスピン」とは

――それでは、中野さんの代名詞と言われているドーナツスピンは、中野さんにとってどんなスピンでしたか。

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「私は最初に見た時はドーナツスピンという名前を知りませんでした。私のもともと原点となるドーナツスピンは、リレハンメル五輪で金メダルを獲ったウクライナのオクサナ・バイウルさんがやっていたものでした。彼女の演技をずっとショートプログラム(SP)、フリーと、練習の行き帰りの車の中で何度も何度も車の中で見ていました。私はまだ小さかったのですが、彼女のスピンに憧れました。SPで『ブラックスワン』を踊られた時、スピン自体が鳥のように見えて、鳥のような姿勢を取った時に私自身も鳥になれるのかなと思って、子供ながらに鳥になりたいと思ってスピンの練習を始めたのが、きっかけです。

 そのブラックスワンを踊られた時にとったドーナツスピンの姿勢が本当に何か白鳥が舞っているような、泳いでいるような……そういう感じですごく優雅に見えた時の印象がすごく強くて、当時はまだドーナツスピンをやっている選手はすごく少なかったと思いますが、そこから真似をして練習をしているうちに、これはドーナツスピンと言うんだということを知りました。なぜ、ドーナツというかというと上から見た時の姿勢が輪っかになっているので、ドーナツスピンと呼ばれています」

――その原点であり、モデルになったのが、バイウルさんということなのですね。

「はい。全てのスピンを真似しました。ドーナツスピンだけではなくて、キャッチフットのスピンだったり、先ほど言ったキャノンボールスピンだったり。全てのスピンを彼女から勉強させていただきました」

――スピンを真似るというのはどういう形でやるのでしょうか。バイウルさんと中野さんの体の作りや柔軟性が似ていたのでしょうか。

「小さい頃からの柔軟性がすごく必要不可欠になるのがスピンだなと思いました。私は母親に感謝しなければと思っているのが、小さい頃からクラシックバレエとジャズダンスを習っていたこと。あの柔軟性はフィギュアスケート以外のダンスの要素の中でも必要になる部分なので(フィギュアスケート以外の)どこの教室に行っても柔軟体操をやる。柔軟力が求められていたおかげで、スピンの練習をすんなりとやることができました。ただ、もちろん最初はやうまく形にならなかったり、変な形になったり、力の入れ具合だったりが分かりませんでした。当時、8ミリビデオが出始めた頃だと思いますが、母親に何度も撮ってもらって、自分でおかしいところを見て直していく作業も毎日していました」

――さきほど、バイウルさんの五輪の映像を確保して何度も何度も見たとおっしゃっていましたが……。

「はい、擦り切れるほど見ました」

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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