恩師エディーとの忘れられないエピソード W杯で日本と激突、大野均が語る敵将の素顔
日本代表で歴代最多98キャップを持つ大野均氏(東芝ブレイブルーパス東京アンバサダー)に、2023年ラグビーワールドカップ(W杯)のプールDで日本が対戦するイングランドの強さ、そして勝利へのシナリオを聞いてきた連載。最終回のテーマは、イングランドを率いるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)と日本代表が世界最高の舞台で戦うことに、どんな期待と意義を感じているかについて。恩師と仰ぐ敏腕指揮官への思い、そして進化を続ける日本代表へのエールも込めて語ってもらった。(取材・文=吉田 宏)
ラグビー元日本代表LO大野均氏、「イングランド代表分析」最終回
日本代表で歴代最多98キャップを持つ大野均氏(東芝ブレイブルーパス東京アンバサダー)に、2023年ラグビーワールドカップ(W杯)のプールDで日本が対戦するイングランドの強さ、そして勝利へのシナリオを聞いてきた連載。最終回のテーマは、イングランドを率いるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)と日本代表が世界最高の舞台で戦うことに、どんな期待と意義を感じているかについて。恩師と仰ぐ敏腕指揮官への思い、そして進化を続ける日本代表へのエールも込めて語ってもらった。(取材・文=吉田 宏)
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18か月後のイングランド、そして恩師との決戦へ、大野氏の期待感は高まっている。この対戦が、2015年W杯での南アフリカ撃破、19年大会の8強入りに続き、日本が世界にインパクトを与えるゲームになる可能性を持っているからだ。
「日本のファンだけじゃなく、世界中のラグビーファンが注目する試合になる。エディーさんは、イングランド代表での実績、そしてこれだけ日本のラグビーのスタンダードを上げてくれた人だから、日本が勝ったりしたら、また凄いニュースになるはずです」
選手にとっては、濃密な時間をともに過ごした指導者と敵味方に分かれて対戦することには難しさもあるのではないだろうか。こう問うと大野氏は、現役の代表選手たちに語りかけるように説明する。
「選手には、やり難さとかは関係ないと思います。自分の準備をするだけだし、自分が求められるプレーをやるだけです。なので、エディーさんのことを考える必要はないですね。彼のことなので、メディアを利用したりして、いろいろと仕掛けてくるだろうけれど、それは織り込み済みでやるだけです」
では、2012年から15年まで日本代表でともに戦ってきたエディー・ジョーンズという指導者、人物は、大野氏の目にはどう映っているのだろうか。
「勝負事では本当に真剣な人です。絶対に負けたくないという気持ちを指揮官自ら出してくるから、選手はそこについていくという感じになっていましたね。グラウンドを離れると、本当に気のいいおじさんという感じなんですが、そういうギャップに人間味がある。そこに選手も惹かれるのかなと思います」