プロレス“魂の実況”をプールでも? テレ朝・野上慎平アナ「熱く魂を込めて」
五輪を超える規模で2年に1度行われる水泳の“世界一決定戦”、世界水泳(テレビ朝日系で独占中継)が12日に開幕した。なかでも、注目を集めるのは競泳だ。金メダルを獲得すれば、1年後の東京五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」は競泳開幕の30日前からカウントダウン連載を行い、出場25選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。
「ワールドプロレスリング」担当の野上慎平アナウンサー、競泳に通ずる実況論
五輪を超える規模で2年に1度行われる水泳の“世界一決定戦”、世界水泳(テレビ朝日系で独占中継)が12日に開幕した。なかでも、注目を集めるのは競泳だ。金メダルを獲得すれば、1年後の東京五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」は競泳開幕の30日前からカウントダウン連載を行い、出場25選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。
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週末は特別企画をお送りし、前週のライバルの海外選手に続き、今週は前回2017年大会で実況を務めたテレビ朝日・野上慎平アナウンサーがこれまで取材をして感じた選手の姿、中継の裏側などを前後編に分けて紹介。開幕まであと7日となる後編は、長寿番組「ワールドプロレスリング」でもお馴染みの野上アナウンサーが、競泳にも通ずる“魂の実況”について語る。
◇ ◇ ◇
――レース直後のインタビューは競泳ならでは。選手の熱が高く、気を付ける点は?
「競泳は複数種目にエントリーしている選手も多いので、インタビューするときは、『次のレースに影響しないように』ということを考えるようにしています。聞きたいことはたくさんありますが、選手たちは人生をかけて挑んでいると思うので、自分の取材で邪魔するようなことにならないよう気を付けています」
――のちに「名実況」と呼ばれるフレーズなどは、事前に考えておくこともある?
「それはあまりないですね。考えたところで、それがしっくりこないケースになる方が多い。もちろんレースの展開のイメージはします。例えば、瀬戸大也選手は400メートル個人メドレーで2013、15年に連覇して前回17年に銅メダル、今回優勝したら奪還になる。
だから、そのレースの見どころとして『瀬戸大也、3度目の王座奪還へ』などメモしますが、それを確実にこのタイミングで言ってやろうということはない。でも、自分の頭に残っているから、(ゴールに)タッチして金メダルを獲得すると、『王座奪還!』という言葉が自然と出てくる。それを決めて絶対に言ってやろうということはないですね」
――野上アナウンサーといえばプロレス。競泳と通じる部分は?
「熱くいきたいです。熱く魂を込めて。だけど『熱くいき過ぎだ』とよく言われます(笑)。少し抑える必要もあるのだと思います。これは私の個人的な考えですが、例えばプロレスの視聴者は、選手の背景やストーリーをとても重要視しながら見ていると感じていて、だからこそプロレス実況では敢えてそれを伝えるようにしています。
でも、それを競泳にそのまま当てはめることは適切ではないと思っています。そもそも中継の特性上、そうした情報を表現できる間尺(まじゃく)も、タイミングも少ないので…。ただ、当然ですが、選手はそれぞれに、たくさんの苦労をしてきています。ケガだったり、結果を出せなかったり、スランプに陥ったり…。ここに立つまでにこういう思いで来たんだよ、という姿を、私は出来るだけ伝えたいです」
――プロレス実況が生きる部分は?
「大いにあると思います。若手時代、プロレス実況をして何度も大事な場面で声が裏返ってしまいました。プロレスの場合、30分を超えるメインイベントを高いテンションを維持したまま喋り続けなければなりません。ですから、終盤の声の体力がきつくなってきた時に、どうやったら強い声を出せるのか、を模索し続けてきました。
『長く、強く声を張り上げるコツ』みたいなものは、他の人よりも熟知しているかもしれません(笑)。競泳の一番盛り上がりをみせるレース終盤などで、声が裏返る、ということは恐らくないと思います…。裏返らないよう、体調もベストコンディションに整えます!!
体調を崩さないのが一番。どれだけいい準備をしても、前日寝てないとしょっぱい実況になってしまうことを何回も経験してきた。もう不安で不安で仕方ないから、ああでもない、こうでもないってたくさん準備する。いっぱい準備しておくんですけど、結局はもうこれで大丈夫ってスパンと寝た方がいい中継ができますね」