女子選手に求められる月経管理「本当の良い練習は生理後1週~10日だけ」―三宅宏実の意見
ジュニア指導にも関心「自分が支えてもらった分、今度は誰かの役に立つ」
ゆくゆくは、ジュニア世代も指導していきたい。「自分が支えてもらった分、今度は誰かの役に立つ」。それが、今、三宅さんが抱く人生のテーマだ。
「現役時代、たくさんの人に応援していただき、それが私の頑張る源でした。今度は自分の指導が、選手の記録が伸びるサポートになったり、それにより選手が笑顔になってくれるといいな、と思います。
とはいえ、今は選手からすっごく学ばせていただいている段階なので、選手ゼロ年生のときと同じような気持ちです。選手時代、ウエイトリフティング競技のことがわかるようになるまで、10年はかかりました。多分コーチ業も10年したら、少しわかるようになるんじゃないかな」
今は目の前のことを、1日1日、一生懸命やっていく修行の日々、と三宅さん。
「それから、女性らしさもこれからの私のテーマの一つです。引退された女性アスリートの皆さん、すごくお綺麗になられているじゃないですか? 私もそうなりたい! と思っています(笑)」
【女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?】
「自分らしさって人それぞれ。らしさの定義は自分のなかにあるからこそ、本能のままに生きることが大切だと思います。でも、人は一人ではできることに限界がありますし、頑張っていけないと思います。応援してくれる人、サポートしてくれる人とともに歩んでいけると、より広い世界が見え、結婚や出産を経ても競技を長く続けられることに繋がると思います。たくさんの繋がりを大切にしながら、壁を超える人になる。次世代はそんな女性アスリートがいっぱい出てきて、いつしか活躍の場がもっともっと広がっているのではと期待しています」(元重量挙げ日本代表・三宅宏実)
※「THE ANSWER」では今回の企画を協力いただいた皆さんに「女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?」と聞き、発信しています。
■三宅 宏実 / Hiromi Miyake
1985年11月18日生まれ、埼玉県出身。中学3年時に重量挙げを始める。元重量挙げ選手の父・義行氏の指導の下、すぐに頭角を現し、高校1年で全国高校女子選手権53キロ級を大会記録で優勝。日本代表として04年アテネから21年東京まで、夏季五輪で日本女子最多に並ぶ5大会連続出場。12年ロンドン大会で銀メダル、16年リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得した(ともに女子48キロ級)。東京五輪終了後、現役引退。現在、コーチ業を務める。男子重量挙げ1960年ローマ大会で銀、64年東京、68年メキシコシティ大会で金メダルを獲得した三宅義信は伯父。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)