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女性だからと特別扱いされない競技 車いすラグビー倉橋香衣のジェンダー平等への想い

「車いすラグビーのおかげで外に出るきっかけもある」と語る倉橋【写真:日本車いすラグビー連盟提供】
「車いすラグビーのおかげで外に出るきっかけもある」と語る倉橋【写真:日本車いすラグビー連盟提供】

車いすラグビーとの出会いに感謝「生活自体がよりよくなっている」

 練習や試合で上手くいかないことがあっても、終わってみると「楽しかった」と思うことが圧倒的に多い。

本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】

「車いすラグビーと出会ってよかった。楽しいことはもちろんですけど、他の選手から車いす生活についてアドバイスをもらうこともあり、生活自体がよりよくなっている。車いすラグビーのおかげで外に出るきっかけもあるわけですから。今話していて、改めて『車いすラグビー好きだな』と思いました(笑)」

 周囲も包み込むような明るい笑顔は、性別に関係なく、一人の人として過ごす充実した日々の表れなのかもしれない。

【女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?】

「私はありのままの自分でいられる環境にいさせてもらっているので、女性だから苦しんだという経験が今までほとんどありません。それは本当に環境のおかげだったと思います。だったら、みんながありのままの姿でいられる環境はどうにしたら作れるのか。

 例えば、私が車いすラグビーを本格的に始める時、競技と出会ってから1年くらいは、なかなかクラブチームに入りたいとは言い出せませんでした。それはどちらかというと引っ込み思案な自分の性格によるものだと思っていたんですけど、もし女子選手がたくさんいたら入りたいと言いやすかったかもしれません。

 車いすラグビーは激しくぶつかったりするので、女性の車いすユーザーを誘っても『怖い』と言われてしまいます。でも、みんな遊びとしては楽しくやってくれる。クラブチームに入るのは本気度が上がるから嫌だって(笑)。ただ、『女性だから激しいスポーツはできない』というのは、女性側が勝手に抱いているイメージかもしれない。女性も一度、そういうイメージを捨ててみるのもいいかもしれません」

 ※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?」と聞き、発信しています。

■倉橋 香衣 / Kae Kurahashi

 1990年9月15日生まれ、兵庫県出身。中高時代は器械体操に励み、教師の道を志して文教大(埼玉)に進学。トランポリン部に所属したが、3年生の時に練習中の事故で頸髄損傷。鎖骨より下の感覚がほぼなくなり、車いす生活になった。大学復学を目指してリハビリに励む中、車いすラグビーと出会い、その虜に。2017年には日本代表に唯一の女子選手として選出され、2021年東京パラでは銅メダル獲得に貢献。クラブチームAXE所属。

<3月6日に「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」オンラインイベント開催>
 女子選手のコンディショニングを考える「女性アスリートのカラダの学校」を6日に開催。第1部は「月経とコンディショニング」をテーマに元陸上日本代表・福士加代子さんをゲストに迎え、月経周期を考慮したコンディショニングを研究する日体大・須永美歌子教授が講師を担当。第2部は「食事と健康管理」をテーマにボクシング東京五輪女子フェザー級金メダリスト・入江聖奈をゲストに迎え、公認スポーツ栄養士の橋本玲子氏が講師を担当。1、2部ともにアスリートの月経問題などについて発信している元競泳日本代表・伊藤華英さんがMCを務める。参加無料。応募は「THE ANSWER」公式サイトから。詳細(https://the-ans.jp/event/224770/)。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)


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