男性と女性が一緒に競い合う車いすラグビー 性別にこだわらない倉橋香衣の生き方
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。3日目は「女性アスリートとジェンダー平等」。東京パラリンピックで銅メダルを獲得した車いすラグビー日本代表・倉橋香衣が登場する。
「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」3日目 テーマは「女性アスリートとジェンダー平等」前編
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。3日目は「女性アスリートとジェンダー平等」。東京パラリンピックで銅メダルを獲得した車いすラグビー日本代表・倉橋香衣が登場する。
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男子選手と女子選手が一緒にプレーする「男女混合競技」である車いすラグビー。日本代表で唯一の女子選手である31歳は、敵にも味方にも特別扱いされることなく戦ってきた。前編では、車いすラグビーが性差に関係なくプレーできる理由とともに、ジェンダー平等を体現する競技を戦う上で「女性であることを強みにするしかない」という女子アスリートとしての信念と生き方を明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
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「ガシャーン!」と会場全体に大きく響きわたる金属の衝突音。相手の動きを封じるため、車いすと車いすが容赦なくタックルでぶつかり合う車いすラグビーを象徴する音だ。2021年に開催された東京パラリンピックを見て、その激しさに驚いた人も少なくないのでは。
「車いす競技で唯一タックルが認められている。思いきりぶつかってもいいところが楽しいし、見ていても分かりやすい一番の魅力だと思います」
そう言いながら屈託ない笑顔を浮かべるのは、東京パラリンピックに日本代表として出場し、銅メダルを獲得した倉橋香衣(商船三井/AXE)だ。
2011年、大学3年生の時にトランポリンの事故で頸髄を損傷し、車いすユーザーになった。リハビリの一環としていろいろなスポーツに取り組む中で出会ったのが車いすラグビー。その面白さにハマり、クラブチームでプレーし始めると、2017年には女子選手として唯一、日本代表に選出されるまでになった。
東京パラリンピック開催に合わせ、日本代表唯一の女子選手として注目される機会が増えた。だが、車いすラグビーをプレーする上で普段は「男性だから、女性だから、とあまり感じたことがないんです」と明かす。
「取材を受けるようになって、改めてコートで周りを見てみたら『あ、私一人だけ女だ。そういえば、周りはオジさんばかりだな』って思ったくらい意識はしていませんでした(笑)」
どうして意識することがなかったのか。それには車いすラグビーの競技性が大きく関わっているようだ。