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一般入試で合格した早大、在学中に五輪出場 文武両道で…「競泳は大学まで」変えたオリンピックの衝撃――競泳・松本信歩

松本にとって、パリ五輪は競技継続のキッカケとなった【写真:荒川祐史】
松本にとって、パリ五輪は競技継続のキッカケとなった【写真:荒川祐史】

スイマーとしての「伸びしろ」はもっとある

 そして大学4年の夏、パリ五輪出場を果たす。しかし、本大会では準決勝に進出するも結果は14位。決勝の舞台に進めなかった。

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「ずっと日本代表、日本のトップ選手を目指して泳いできましたが、(五輪で)世界のトップ選手たちの隣で泳いだ時、彼らとの間になんと言うか、『おっきな差』があると感じました。

 日本国内で誰かに勝つとか、0コンマ何秒、速くなろうとかの目標も大事です。でも、オリンピックを経験し、やっぱりもっと大きな目標に向かって取り組んでいかなければダメなんだと肌で感じ、もっと上を目指して競技を続けていきたいと思うようになりました」

 松本が得意とする個人メドレーは、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の4種目をつないでいく競技。無数にあるレースの駆け引きと、4種目すべてにおいてベストの泳ぎに合わせていくことに魅力を感じているという。

松本は自身の「伸びしろ」はもっとあると語る【写真:荒川祐史】
松本は自身の「伸びしろ」はもっとあると語る【写真:荒川祐史】

「4種目の調子をその日のベストに合わせるのはかなり難しく、私自身、これまで一度も4種目が完全に合った泳ぎはできたことがありません。でもそこが、自分の伸びしろはもっとあるはずだと思えるところでもあります」

 昔から、水泳はやり切ったらやめてもいい、と考えていた。しかし、「100%出し切った」との思いは、まだない。五輪によって、水泳人生において見たい景色が一変した松本は、自分の持つ可能性を信じ、競技者としての頂きを目指す。

■松本 信歩 / Shiho Matsumoto

 2002年4月3日生まれ。東京都出身。5歳で水泳を始める。東京学芸大附竹早中―東京学芸大附高―早稲田大。24年3月に臨んだ国際大会代表選考会、女子200メートル個人メドレーで2分09秒90のタイムで2位となり、派遣標準記録をクリア。24年パリ五輪出場を決め、本大会では女子200メートル個人メドレーで準決勝に進出した。25年4月、あいおいニッセイ同和損保に入社。高校1年から所属していた東京ドームスポーツのプールを拠点に、競技生活を続ける。また、早大在学中に様々な資格取得にも取り組み、現在、行政書士、宅地建物取引士、簿記2級、スペイン語検定5級などを保有する。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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